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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第271回】賃貸経営のプロ廣田 裕司が斬る!④

大家さんのための相続対策

こんにちは。廣田裕司です。

今回は、「大家さんのための相続対策」ついて前回の続きを書いていきます。

6.アパートマンションの新築・建替

相続税の節税を目的に、
アパート、マンションの新築や建替をハウスメーカーや建設会社に勧められる事が多いと思います。
ここでは、節税効果に関することではなく、新築や建替を検討する場合の注意点を書いて  行きます。

(1) 家族と一緒に検討する
新築や建替の検討するときは、相続が発生した時に、
その物件を引き継ぐ家族を決めてその家族を中心に進めましょう。
アパート、マンションは相続発生後も保有して賃貸経営を継続して行くことになるため、
その物件を引き継ぐ家族に計画段階から参画してもらうことで、
相続発生後に戸惑わなくなると思います。

(2) 建設予定地で賃貸経営が成立するかの検討する
ハウスメーカーや建設会社から提示される事業計画書を鵜呑みしないで、
建設予定地で今後の賃貸経営に問題がないか、自分で検討する必要があります。
相続税の節税を狙ってアパートなどを建てても、
その後の賃貸経営が行き詰り物件を手放すことになると、
節税効果どころではありません。
ハウスメーカーや建設会社は、アパートマンションを建てることで利益を上げるビジネスモデルです。
建設後の賃貸経営に関しては責任がないので、作成する事業計画は、楽観的な計画になる傾向にあります。
ハウスメーカーや建設会社から提示された事業計画をベースに、
家賃額、家賃の変動、空室率、修繕費などを厳しい数字に置き換えて再計算してみて、
問題がないか検証してみましょう。

7.相続対策を始める時期

長寿命化に伴い、相続が発生する年齢が高くなっていますが、
現実の相続が発生する時期を予測することは不可能です。高齢になると、
認知症を発症しないまでも、体力的な衰えてくるため、
相続対策を実行することにも消極的になりがちです。
まして、認知症になり、判断能力を失うと、相続対策の実行に支障をきたします。
相続対策は早く始める方が良いです。
特に、不動産を絡めた相続対策は時間がかかるケースも多く、
そのような意味からも、できるだけ早く相続対策に着手すべきだと思います。

 

8.相続対策は家族の幸せのため

相続対策は、家族に幸せのために行うものです。
相続税の節税がうまくいっても、
財産の分割に関して家族間で争いごとが発生したら意味のないことだと思います。
高齢化ともない、認知症の問題や、
残された配偶者の生活の確保など、分割、納税資金、
節税の対策だけでは解決できない問題も発生します。
最近は、相続対策として法人化や家族信託を採用されるようになってきました。
また、民法改正により配偶者居住権が創設され、配偶者の住居が確保しやすくなりました。

法人化、家族信託などの相続対策の手法も重要ではありますが、
相続対策のゴールは、残された家族が納得し、幸せになることです。
そのためには、家族間での相続に関する話し合いが必要です。
“相続に関する話し合いが必要”って書くのは簡単ですが、
実際にはかなり難しいと思います。
家族間で相続の話をすることは、タブーする風潮があり、なかなか切り出しにくいことだと思います。
しかし、相続で残された家族が不幸にならないよう、お互いあゆみよることは大切です。
特に大家さんは、財産だけでなく、自身の賃貸経営にノウハウを承継する必要があります。
賃貸経営のノウハウ承継のためにも、賃貸経営を子供に手伝ってもらうところからはじめてはどうでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございます。
ご質問、ご不明点などありましたら、お気軽にお問合せください。

 

ABOUT ME
廣田裕司
〇空室相談、賃貸経営全般 有限会社丸金商事 取締役 合同会社アップ 代表社員 大学卒業後、メーカーに勤務、主に土木、建築資材営業 生産管理を経験。2001年に妻の実家の賃貸事業をベースに、有限会社丸金商事を設立。同社の取締役に就任し、(当時は兼業)賃貸経営の関わるようになる。2008年に相続により同社代表取締役に就任。翌2009年の会社を退職し専業となる。現在までに3回 新築物件(6棟、27戸)を手がけ、12棟90戸所有。2019年合同会社アップ設立。
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