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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第393回】賃貸経営のプロ廣田 裕司が斬る!④

子供へスムーズに賃貸経営を引き継ぐには

皆さんこんにちは。大家 兼 不動産屋の廣田です。

今回は、前回に引き続き、大家さんが子供にスムーズに
賃貸経営を引き継いでもらう方法について考察します。

3.相続で始める賃貸経営が有利な理由
大家さんの子供は相続により収益不動産を取得できるため、
ゼロから物件を取得して賃貸経営を始める人より有利です。
具体的にどのような点で有利かを解説します。

物件の取得費用が少ない
相続によって賃貸経営を始める最大の利点は、
初期費用が少なくて済む点です。
新規に物件を購入する際には、
自己資金を貯める、物件の選定、
資金調達といった多くのステップが必要です。
しかし、相続により不動産を取得する場合は、
相続税が発生するものの、
新規購入に比べて必要な投資資金が少なく、
手間もかかりません。
また、所有権登記に必要な登録免許税も、
購入時より低くなります。

融資獲得のための活動が不要
通常、収益不動産を購入する際は
金融機関からの融資を利用しますが、
相続で物件を取得する場合、
融資先を探し条件交渉をする必要がありません。
特に、初めて収益物件を購入する際は
金融機関を見つけるのが困難ですが、
相続ではその必要がありません。
すでに賃貸経営の実績があるため、
金融機関との関係も構築されており、
将来の融資が容易になります。

収益の継承
相続した不動産が既に賃貸として
運用されている場合、
入居者との契約も引き継ぐことができます。
新規に入居者を探す手間と時間が省け、
直後から安定した収入を見込むことができます。
これにより、
物件の改修や運営の質の向上といった
長期的な視点からの賃貸経営が可能です。

経験と知識の承継
不動産の運営に関しては、
既に経験豊かな業者との関係が構築されています。
このような関係を承継することは、
新たな経営者にとって非常に価値があり、
スムーズな運営のスタートに寄与します。
また、物件の所有期間が引き継がれることで、
譲渡所得税の税率が下がる所有期間5年を
早く迎えることができ、
出口戦略の自由度が高まります。

相続による賃貸経営の開始は、
ゼロから始める人より、
進んだ位置から賃貸経営を始めることができます。
このような利点があることを、
子供に理解してもらうことが大切です。

ABOUT ME
廣田裕司
〇空室相談、賃貸経営全般 有限会社丸金商事 取締役 合同会社アップ 代表社員 大学卒業後、メーカーに勤務、主に土木、建築資材営業 生産管理を経験。2001年に妻の実家の賃貸事業をベースに、有限会社丸金商事を設立。同社の取締役に就任し、(当時は兼業)賃貸経営の関わるようになる。2008年に相続により同社代表取締役に就任。翌2009年の会社を退職し専業となる。現在までに3回 新築物件(6棟、27戸)を手がけ、12棟90戸所有。2019年合同会社アップ設立。
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