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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第442回】賃貸経営のプロ廣田 裕司が斬る!①

「管理会社との付き合い方」

こんにちは。大家兼不動産屋の廣田です。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

賃貸経営は、大家さん一人で完結できるものではありません。
管理会社をはじめ、さまざまな業者と連携しながら進めていく必要があります。
中でも、日常的に最も多く接するのは管理会社でしょう。
そこで今回は、賃貸経営を進める上で
欠かせない存在である管理会社との付き合い方に
ついて考えてみたいと思います。

1.賃貸経営の主体は誰か
「賃貸経営=不労所得」と考えている方も少なくありません。
しかし実際には、賃貸経営はれっきとした事業であり、
その主役はあくまで大家さん自身です。
物件を所有している以上、最終的な意思決定と責任は、
大家さんにあります。

管理会社がさまざまな業務を代行してくれるのは事実ですが、
「物件の管理」と「経営」は同じではないという点をしっかりと意識する必要があります。
管理会社はあくまでも「業務の実行者」であり、
「経営者」ではありません。

たとえば、家賃の設定、入居者のターゲット選定、
設備投資や修繕の優先順位など、根本的な判断は本来、
大家さんが行うべきものです。
これらを管理会社に丸投げしてしまうと、
最終的には「管理会社にとって都合の良い方法」が選ばれ、
結果として大家さんの意向とは異なる方向で
運営されてしまう可能性があります。

重要なのは、「任せるところは任せつつも、
経営の方針は自分で決める」というスタンスを持つことです。
もちろん、管理会社からの提案は、
判断を下すうえで貴重な情報源であり、
尊重すべき意見でもあります。

また、誤解されがちですが、管理会社は
「賃貸経営のプロ」ではありません。
彼らは「管理業務のプロフェッショナル」ではありますが、
投資戦略や長期的な収益設計まで担う立場ではないのです。
だからこそ、大家さん自身が経営者としての自覚を持ち、
主体的に判断・行動することが、
賃貸経営を成功に導くカギとなります。

2.管理会社との適切な関係性とは
管理会社は、大家さんが費用を払っているからといって、
いわゆる「お客様扱い」をしてくれる存在ではありません。
むしろ、賃貸経営を成功させるためには、
「パートナー」としての関係性を築くことが重要です。

大家さんは、いわば「司令塔」。
物件経営の方針を決定し、その実務を管理会社に委ねます。
一方、管理会社は「参謀兼実行部隊」です。
市場動向や入居者の動きに関する情報を提供し、
日々の業務を遂行してくれます。
つまり、両者の関係は「提供者、お客さま」ではなく、
「役割分担」として理解するべきなのです。

また、真のお客様は入居者さんです。
大家さんと管理会社の共通のゴールは、
入居者に快適な住環境を提供し、長期的な入居を促すことです。
「入居者の満足度向上」という目的を共有し
信頼関係を構築することが大切です。

ABOUT ME
廣田裕司
〇空室相談、賃貸経営全般 有限会社丸金商事 取締役 合同会社アップ 代表社員 大学卒業後、メーカーに勤務、主に土木、建築資材営業 生産管理を経験。2001年に妻の実家の賃貸事業をベースに、有限会社丸金商事を設立。同社の取締役に就任し、(当時は兼業)賃貸経営の関わるようになる。2008年に相続により同社代表取締役に就任。翌2009年の会社を退職し専業となる。現在までに3回 新築物件(6棟、27戸)を手がけ、12棟90戸所有。2019年合同会社アップ設立。
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