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Q転貸による民泊をしている建物をリフォームした場合、耐用年数は何年ですか。

他人が賃貸している戸建てを借りて、民泊として貸し出しています。民泊にするにあたって、全面リフォームをしました。このリフォーム費用は、資産計上しなければならないと聞きましたが、何年で償却するべきでしょうか?

A

事業開始前に支出したリフォーム代は、内容を問わず、資産計上しなければなりません。他人の建物に対して行ったリフォーム代の耐用年数を何年にするのかが問題になってきます。
こちらは、通達に規定があります。
耐通1-1-3(他人の建物に対する造作の耐用年数)
「法人が建物を貸借し自己の用に供するため造作した場合(現に使用している用途を他の用途に変えるために造作した場合を含む。)の造作に要した金額は、当該造作が、建物についてされたときは、当該建物の耐用年数、その造作の種類、用途、使用材質等を勘案して、合理的に見積った耐用年数により、建物附属設備についてされたときは、建物附属設備の耐用年数により償却する。」
リフォームが建物に係るものか、附属設備に係るものかによって、耐用年数が決まります。
なお、「当該建物について賃借期間の定めがあるもの(賃借期間の更新のできないものに限る。)で、かつ、有益費の請求又は買取請求をすることができないものについては、当該賃借期間を耐用年数として償却することができる。」
更新できないものとは、定期借家権のように更新が前提とされていない契約です。有益費とは、賃借人が建物価値を客観的に高めるための費用です。民法608条では、この有益費を支出した場合には、賃借人は賃貸人に対し賃貸借契約終了時にその費用を請求できることとされています。ただし、契約で、有益費償還請求権をあらかじめ放棄する特約も有効であるとされています。定期借家契約で、有益費償還などができない特約がある場合には、賃貸期間を耐用年数にしてよいことになっています。
なお、上記通達では、「同一の建物(一の区画ごとに用途を異にしている場合には、同一の用途に属する部分)についてした造作は、その全てを一の資産として償却をするのであるから、その耐用年数は、その造作全部を総合して見積ることに留意する。」とありますので、ご注意ください。