物件のバリューアップ
皆さんこんにちは。大家 兼 不動産屋の廣田です。
前回のつづきになります。
4.設備更新によるバリューアップ
各部屋に設置されている給湯器や
エアコンなどの設備は、
日々新しい機能を備えた製品が登場しています。
そのため、築年数が経過した物件に
古い設備が残っていると、
入居者に敬遠される可能性があります。
逆に、最新の設備に更新したり、
これまで設置されていなかった
設備を新たに導入することで、
他の物件との差別化が期待でき、
物件の魅力を高めることが可能です。
(1)設備更新のタイミング
設備類は、不具合が発生して修理が
できなくなった時点で
更新されることが一般的です。
しかし、設置後の経年劣化により性能が低下し、
故障の頻度が高まることがあります。
特に、設置から一定の年数が経過した設備については、
故障する前に原状回復工事と同時に
最新のものに更新を行うことを検討する価値があります。
この方法を採用すれば、
次の入居者募集の際に「○○(設備名)新品」と広告に記載でき、
入居者への魅力的なアピールポイントとなります。
(2)省エネ型給湯器
賃貸住宅においても、省エネ型給湯器への
更新に対して補助金が受けられる制度があります。
この制度を活用することで、
費用を抑えながら、
省エネ型給湯器を設置することが可能です。
さらに、これにより他の物件との差別化を図ることができ、
入居者へのアピールポイントにもなります。
賃貸集合省エネ給湯2024事業/資源エネルギー庁
https://chintai-shoene2024.meti.go.jp/
給湯器以外にも、賃貸住宅のリフォームに関して、
補助金が受けられる制度があるので調べてみるのもよいと思います。
(参考)東京都賃貸住宅における省エネ化・再エネ導入促進事業
https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/tintai_syouene_saiene
(3)浴室乾燥機の設置
近年、新築の賃貸住宅では浴室乾燥機が
設置されている物件が増えています。
既存の物件でも、浴室乾燥機の設置は可能です。
浴室乾燥機を導入することで、
入居者の利便性が向上し、
他の物件との差別化にもつながります。
(4)家具家電の設置
設備とは少し異なるかもしれませんが、
部屋に家具や家電を設置することも有効な手段です。
特に、大学生向けの物件では、
入居期間が大学生活の4年間に限定されるため、
その短い期間のために家具や家電を購入するより、
多少家賃が高くても
家具・家電付きの物件を選ぶ人が増えています。
さらに、転勤が多い独身の会社員や単身赴任者にも、
家具・家電付きの物件は人気があると思われます。
5.入居条件の検討
リフォームや設備更新以外に、
入居条件を改善することでバリューアップにつながります。
(1)ペット飼育可能
現在、賃貸住宅ではペット飼育ができる物件が少ないため、
ペット飼育を可能にすることで他の物件との差別化を図ることができます。
また、ペット可の物件が限られているため、入居期間の長期化も期待できるでしょう。
ただし、ペット不可からペット可に変更する際には、既存の入居者の了承や、
ペット飼育に関するルールや契約書の見直しなど、
解決すべき課題が多いため、慎重な対応が求められます。
(2)民泊を許容する
インバウンド需要を背景に、
民泊事業(宿泊事業を含む)が
活況を呈しています。
副業として賃貸住宅を借りて
民泊事業を行いたい人は多数いますが、
民泊を許容する物件が少ないため、
民泊を許容する場合は、
通常の家賃より10~30%高くても
借りたいという需要があります。
したがって、民泊を許可することで、
家賃のアップが期待できます。
しかし、民泊を許可する際には、
物件に不特定多数の人が出入りすることによって
騒音やゴミ出しの問題が生じ、
既存の入居者や近隣住民との
トラブルになる可能性があるため、
慎重な対応が必要です。
