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合法的に利益を増やす方法とは?

東京の中心で税務を叫ぶ 第177 回コラム

大家さん
大家さん

合法的に利益を増やす方法とは?

大野
大野

合法的に利益を増やす方法とは?
について、お話しします!

こんにちは!
今回は、融資を引くために、
法人の決算書を良くする方法をお話します。
決算書を良くする基本は利益を増やすことです。
実は、経理方法を工夫することで、
今期の利益を増やせる可能性があります。
今回は、そのいくつかをご紹介します。

①資産計上できるものは資産計上する
青色申告法人は、30万円未満の少額減価償却資産については、
全額を一括で経費にできるという特例があります。
この特例をあえて使わず、
原則どおり固定資産に計上して減価償却するという方法が考えられます。
減価償却にすれば、
耐用年数にわたって毎年少しずつ経費に計上していくことになりますので、
翌年以降に経費を先延ばしすることができます。

また、修繕費か資本的支出(資産計上)か
判定が微妙なものについて、
資産計上する方法も考えられます。
先ほどと同様に、
資産計上して減価償却になれば、
翌年以降の経費になります。

さらに、賃貸物件購入時の登記費用や不動産取得税は、
通常は経費に計上しますが、法人の場合は、
土地や建物の取得価額に含めて資産計上することも選択できます。
(個人は経費計上しかできません。)
資産計上して減価償却になれば、翌年以降の経費にすることができます。

②減価償却費をコントロールする
税法上は法人の減価償却は任意ですので、
理論的には減価償却費を計上しないことで
利益を大きくみせることができます。
ただし、減価償却費を計上しないと
利益を過大に見せるための粉飾と見なされ、
かえって銀行の印象を悪くする可能性があるので注意が必要です。

しかし、減価償却費を計上しない合理的な理由があれば、
銀行に説明することができると考えます。
たとえば、青色申告法人は赤字が出ると、
その赤字を10年間繰り越して、
将来の黒字と相殺して税金を減らすことができる制度があります。
(青色欠損金の繰越控除)
もしこの欠損金が10年経過して消えてしまいそうになったとき、
あえて減価償却費を計上しないで利益を出し、
欠損金と相殺すれば、欠損金が無駄になりません。
このように戦略的に利益を出す必要があるときに、
経営判断で減価償却費をコントロールしたと説明することが
できれば粉飾には当たらないと考えます。

③倒産防止共済(セーフティ共済)掛金を資産計上する
もともとは取引先が倒産した際に、
連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための共済制度で、
無担保・無保証人で、掛金の10倍(上限8,000万円)
まで借入れできる制度です。
掛金月額は5,000円~20万円まで自由に選べて、
途中で変更することもでき、
総額800万円まで積立てることができます。
開業して1年以上事業を継続していることが加入要件となります。

法人の場合は、掛金を全額経費に計上できます。
ただ、これを資産に計上したうえで、
法人税の申告書上で所得を減額する処理を選択することができます。
このようにすれば、
決算書上は経費が少なくなり利益を増やすことができますが、
法人税の計算上は所得を減額できるので、税金は増えません。

まとめ

①経理方法を工夫することで、今期の利益を増やすことができます。
②ただし、その分来期以降に経費を先送りすることになるので、
長期的な視点から実施するか判断するようにしましょう。

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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