東京の中心で税務を叫ぶ 第179 回コラム
法人は減価償却しなくてもよいってほんと?
法人は減価償却しなくてもよいってほんと?
について、お話しします!
今回は、減価償却の任意償却(減価償却してもしなくてもよいこと)についてお話します。
ます、個人オーナーの場合は強制償却となっており、
毎年必ず減価償却を計上しなければなりません。
利益が出ていても赤字でも償却額は同じとなります。
それに対して、法人オーナーの場合は、
法人税法上は任意償却が認められており、
償却額を0円から上限額まで自由に設定することができます。
利益状況に応じて償却額を調整できるため、
理論上は利益をコントロールすることが可能になります。
具体例でみていきましょう。
今回のケースでは、毎年の減価償却費は、1,569千円です。
法人の場合は、この金額がその年に計上できる減価償却費の上限額と考えます。
したがって、1年間で計上できる減価償却費は、
0円~1,569千円までの間で選択することができます。
それでは、通常通り減価償却した場合と、
1年目の減価償却費を0円にした場合とを、
比較してみましょう。


両者を比較してみると、
1年目の経常利益は、44千円から1,613千円に増えています。
このように、減価償却費を減らすことにより
利益を意図的に増やすことができるということです。
ただし、「中小企業の会計に関する指針」に
もとづく会計処理ではないため、
金融機関からは利益操作とみなされ融資に影響を
及ぼす可能性があります。
減価償却費を計上していないことの合理的な
理由が説明できないのであれば、おすすめできません。
まとめ
①法人は、減価償却費の計上額を、0円~上限額の間で選択することができます。
②ただし、減価償却費を減らす行為は、利益操作と見られる可能性があります。
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