~分譲マンション投資の魅力~
今回は、現地調査で、
最上階から階段を降りながら各階の廊下を見ていきます。
1.廊下は、通路であって物置ではない
各階に降り立ったら、
玄関ドアの並ぶ廊下を端から眺めてください。
傘立て、ベビーカー、
子どもの自転車、段ボール。
冬用タイヤが積まれていることもあります。
廊下は共用部分です。
国土交通省の標準管理規約のコメントも、
専用使用権の設定されていない共用部分に
物品を置くことは原則として認められないとしており、
多くの規約が同じ趣旨を定めています。
つまり、そこに積まれた荷物は、
ほぼ例外なく規約違反です。
2.これは美観ではなく、避難の問題
消防法八条の二の四は、
廊下や階段など避難上必要な施設について、
避難の支障になる物件が放置されないよう
管理しなければならないと定めています。
東京都の火災予防条例五十三条の二も、
避難施設に避難の支障となる物件を
置くことを禁じ、
共同住宅もその対象に含めています。
火災のとき、廊下は住民の避難路であり、
消防隊の進入路でもあります。
地震で荷物が倒れれば、
それだけで逃げ道が塞がります。
段ボールや木製の家具は、
火を広げる材料にもなります。
見た目の話ではなく、人命の話なのです。
3.玄関前のポーチは、どこまでが自分の場所か
ただし、例外はあります。
玄関前にポーチやアルコーブが設けられ、
専用に使ってよいとされている物件です。
ここに鉢植えや傘立てを置くことは、
通常であれば認められています。
なお、ポーチもバルコニーも専有部分ではなく、
共用部分に専用使用権が設定されているという整理です。
専用に使えるからといって
何を置いてもよいわけではなく、
避難の妨げになるものは置けません。
その範囲は、管理規約の別表に書かれています。
現地で見た荷物が違反かどうかも、
結局は書類に戻らなければ判断できません。
4.片づいた廊下は、手間をかけた証拠
規約違反の私物を見つけたとき、
管理組合はそれを勝手に片づけられるのか?
答えは、できません。
放置されていても他人の所有物である以上、
無断で処分すれば民法七〇九条に基づく
損害賠償を請求されかねません。
残されているのは、誰の物かを特定し、
掲示や書面で注意し、
応じなければ理事長名で勧告し、
なお直らなければ法的手段を検討するという、
時間も気力も要る道だけです。
だからこそ、廊下が片づいているマンションは、
偶然そうなっているのではありません。
誰かが煙たがられる役割を引き受け、
それを続けてきた結果です。
逆に荷物が居座り続けているなら、
規約はあっても、
守らせる力が組合に残って
いないということになります。
5.総会議事録と突き合わせる
現地で気になったなら、総会議事録に戻ってください。
共用部への私物放置について注意喚起を行った、
という記載があれば、
悪い材料ではありません。
組合が気づき、動いている証拠です。
注意したいのは、
同じ議題が何年も繰り返され、
それでも現地が変わっていない場合です。
声は上げているが、届いていない。
書類だけでも現地だけでも見えず、
突き合わせて初めて分かることです。
6.まとめ
廊下の私物で問うべきは、
規約に書いてあるかどうかではありません。
書いてあることを、守らせているかどうかです。
傷まない建物を探すのではなく、
傷んだときに直される建物を選ぶ。
ルールも同じです。
破られない建物ではなく、
破られたときに正される建物を選びたい。
もっとも、廊下じゅうに私物が並び、
議事録にも記載が見当たらないようであれば、
初心者のうちは見送るのも賢明な判断でしょう。



