税金は大家さんにとって感心の高いものの一つです。しかし当たり前の話ですが、税金を少なくするとか何とか言っても、その第一歩は自分の数字を把握することから始めなければなりません。
今回はまずどこから手をつければいいか、についてお話しします。
1.大家さんは不動産所得
(1)給料などとは別物扱い
不動産投資をした場合、その賃料から発生する利益は「不動産所得」という名称になります。これは給料や株の売買益などとは違う扱いになるということに注意してください。個人で商売をやってそこから上がる収入は「事業所得」と言いますが、どちらかというとそれに近い扱いです。しかし、一般的な商売の稼ぎと、不動産からの稼ぎは別物扱いされるということもまた重要です。
(2)毎年自分で計算して報告
サラリーマンの税金は、法律で給与を支払う会社が計算してくれることになっています。
しかし大家さんになると、儲かっているかどうかの計算は自分でしなければなりません。お金を払って税理士に頼むという手もありますが、原則は、自分の利益計算は自分でやり、税金の額を計算し、自分で納めることになっています。
これを「申告納税制度」と言います。
これを面倒だと思うか、自分で計算して自分で経費などの判断ができるなんて素晴らしいことだと思えるかで、大家業のスタンスは大きく変わってくると思います。
2.届けを出してスタート
(1)実は開業届は出さなくてもいい?
大家業を始め、不動産で得た所得については自分で計算します!と、税務署に対して宣言するのが「開業届」であると言えます。ぶっちゃけ言いますと、開業届を出さなくても大家業を始めることはできますし、実は罰則もありません。しかし、届け出を出さないよりも出した方が税金面でも有利な点が多々あるので「開業届」は提出するべきです。場合によってはそれと一緒に「所得税の青色申告承認申請書」も提出するといいでしょう(理由は次回)。
(2)届けを出してからが始まり
もちろん、物件の選定から購入といった当然の動きからすでに不動産業は始まっています。しかし、それらはあくまでも大家業の準備段階。本格的なスタートは、これら届出を出して「大家業を始めるぞ!」と公に宣言することから始まると言っても過言ではありません。
必ず提出するようにしましょう。
3.まとめ
税務署に開業届を出すということは、大家業を始めるというスタートアップ宣言です。自分がこれから行うことは単なる副業ではなく商売である、という自覚を持つことが、大家業の第一歩であり節税にもつながると言えます。