すべての大家さんに必ず実行してほしい、塀の点検・補修②
こんにちは。一級建築士の遠田(エンダ)です。
今回のコラムでは、『すべての大家さんに必ず実行してほしい、塀の点検・補修
1回目は、『身の回りの塀の種類・基準』についてご紹介致しまし
国土交通省よりプレスリリース
大阪府北部地震をうけ、2018年6月21日 国土交通省よりプレスリリースがありました。
学校の塀に限らず、広く一般の建築物を対象に、所有者に向けて
①既設の塀の安全点検のためのチェックポイントを用いて、安全点検を行うこと
②点検の結果、危険が確認された場合には、付近通行者への注意表示、及び補修・撤去が必要となること
の二点を注意喚起するよう特定行政庁へ要請したとのことでした。
皆さん所有のアパート・マンションにある塀は点検致しましたでしょうか。
すでに点検を実施された方もいらっしゃるかもしれませんが、まだ点検を実施されていない方は下記を参考にぜひ実施ください。
※一部行政では、推奨基準を設けています。
参考:補強コンクリートブロック造の塀
①塀の高さは地盤から2.2m以下か
※世田谷:2m以下が望ましい
②塀の厚さは10cm以上か(塀の高さが2m超2.2m以下の場合は15cm以上)
※世田谷:高さが2m以下ならば12cm以上が望ましい
③塀の長さ3.4m以下ごとに、塀の高さの1/5以上突出した控え壁があるか
(塀の高さが1.2m超の場合)
※世田谷:3.2m以内ごとにあるのが望ましい
④コンクリートの基礎があるか
⑤塀に傾き、ひび割れはないか。石積み擁壁の上にブロック塀を載せていないか
<以下は専門家に相談しましょう。部分的な取り壊しを伴う場合があります>
⑥塀の中に直径9mm以上の鉄筋が、縦横とも80cm間隔以下で配筋されており、縦筋は壁頂部および基礎の横筋に、横筋は縦筋にそれぞれかぎ掛けされているか
⑦コンクリートの基礎の丈は35cm以上、地中に埋まっている深さは30cm以上か
(塀の高さが1.2m超の場合)
※世田谷:基礎の丈は45cm以上、深さは40cm以上が望まし
参考:組積造(れんが造、石造、鉄筋のないブロック造) の塀
①塀の高さは地盤から1.2m以下か
②塀の厚さは高さが1.2mの場合、壁の最下部で12cm以上
※世田谷:15cm以上が望ましい
③塀の長さ4m以下ごとに、塀の厚さの1.5倍以上突出した控え壁があるか
※世田谷:3.6m以内ごとにあるのが望ましい
④基礎があるか
⑤塀に傾き、ひび割れはないか。石積み擁壁の上にブロック塀を載せていないか
<以下は専門家に相談しましょう>
⑥基礎が地中に埋まっている深さは20cm以上か
※世田谷:40cm以上あるのが望ましい
点検結果はいかがでしたでしょうか。
適合しない場合は、造り替えるか、塀を低くするか、補強をするようにしましょう。
次回の配信では『塀の補強方法』についてふれていきたいと思いま