大家業を営む場合、押さえておかなければならないのが「デッドクロス」です。今回はこの用語の意味を説明します。
1.デッドクロス(Dead Cross )とは?
(1)元々は投資用語
これは証券投資の世界では一般的な用語で、短期的なトレンド曲線が長期的なトレンド曲線を下回ったところを「デッドクロス」と呼びます。英語のスペルを見ればわかる通り、この意味は「死の交差」ですから、あまりいい意味ではないことがわかると思います。
(2)投資判断に使うもの
デッドクロスは相場が下降トレンドに入った際に現れるものと言われており、経験則から、これが発生すると今後相場は下げ基調になるとされています。つまりデッドクロスは、これからの投資判断、未来の行動の判断材料として用いられるものです。この反対用語にゴールデンクロスというものがあり、こちらはこれが発生すると今後相場は上がっていくと予想されるものです。
2.大家業におけるデッドクロスとは?
(1)返済と償却の関係
不動産経営を考える場合、デッドクロスは少し違う意味で使われています。ここでは、借入金の返済額と償却費の関係を表現する際に用います。簡単に言うと、借入金の元本返済額が減価償却費の金額を上回ってしまうことをデッドクロスと呼んでいます。借入金の返済額はお金は出て行くけど経費にならず、減価償却費はお金は出て行きませんが経費になるものです。収益を考える場合、お金を払ったら経費になればちょうどいいのですから、この2つが均衡していれば本当は都合がいいわけです。そのバランスが崩れた状態をデッドクロスと呼んでいます。
(2)ならないように気をつけるもの
不動産経営、特にキャッシュフローを考える場合、デッドクロスは「ならないように気をつけるもの」という位置付けです。なるとマズイものだとわかっているので、事前の準備で回避することができるわけです。逆に言うと、株などの場合と異なり、こちらのデッドクロスは起こらないようにするものである、と言ってもいいでしょう。
3.まとめ
一般的な投資用語でいうところのデッドクロスと、不動産業界で使うデッドクロスは、意味合いが違っています。用語の持つ意味を良く考えて、活用して行きましょう。