先日2月6日に名古屋市南区にある笠寺小学校にて租税教室(税金教室)の先生をしてきました。
笠寺小学校は明治初めからある、歴史のある小学校で私の祖父と父も通っていました。
税金教室をやると、あらためて税金について考えさせられ、いつも学びとなっています。
さて、今回は平成30年分の確定申告期限前ということで
「確定申告の注意点―青色決算書(不動産所得用)について―」
書かせていただきます。
青色決算書は、大家さんが確定申告をする際、青色申告の承認を税務署に受けていれば提出する書類で個人の大家さんの経営成績と財産目録をあらわすもっとも大事な書類のひとつになります。
青色決算書は、確定申告書の添付書類なので、税金を計算する基になるのはもちろんこの書類の良し悪しで、融資が受けられるかどうかの大きな判断材料になります。
具体的には、以下のものになります。
本当は4ページあるのですが、今回は紙面の都合上1ページ目の損益計算書(経営成績をあらわす)の黒〇した部分についてのみの注意点をかきます。
損益計算書の黒〇した部分は空欄になっています。
空欄ではないところは上から順番に「租税公課」金額(円)…と記載していくのですが「給料賃金」の下は空欄です。
ここには何を入れればいいでしょうか?おわかりになりますか?
答えは、
「自分の好きな科目とその金額を入れてよい」
というのが回答です。
よく入れる科目は
「管理委託費」
「水道光熱費」
「消耗品費」
「旅費交通費」
「支払手数料」
「通信費」
「接待交際費」
などです。
管理会社に依頼をされている大家さんならば、管理会社さんに支払う、管理料が大きなウェイトを占める場合が多いので「管理料」、「管理委託費」や「管理費」という科目を使って1年間の合計金額を記載するとよろしいでしょう。
また、自宅から遠方に物件をお持ちで入退去の管理や清掃のために旅費がかかる方は
「旅費交通費」と記載するのもよろしいと思います。
「水道光熱費」は共用灯の電気代や共用水栓の水道代などですし、
「消耗品費」は事業で使う文具などの消耗品や共同住宅などに使用する部材や電材で、
「通信費」は事業で使用する分の固定電話代や携帯電話代、
「支払手数料」は修繕の業者さんへの振込手数料や税理士への支払いを私は入れています。
ただ、あまり金額の大きくない科目(1万円以下)であるとか、収入金額から考えてバランスがおかしいものは入れません。
そして、新規に物件を買われた方は注意していただきたいのですが、この空欄に「新規物件取得費」とか「物件取得費」と記載して、税務署や銀行(金融機関)へわかりやすくアピールするとよろしいと思います。
「新規物件取得費」に何が入るかといいますと、新規に購入した物件の登記代、不動産取得税など新物件を購入した際にかかった費用がはいります。
※購入した際の仲介手数料や印紙代は物件(土地・建物)の取得価額へ案分して入れる
ここに注意をして損益計算書をお作りになり、融資を受ける際は説明のポイントとされると一つランクが上の、大家さんになれると思います。
まとめ
・「青色決算書(不動産所得用)」は税務署に青色申告の承認を受けた方の確定申告書の添付書類
・青色決算書は大家さんの経営成績と財産目録をあらわす
・1ページ目 損益計算書の空欄は好きな科目とその科目の金額を入れてよい
・新規に物件を買われた方は「新規物件取得費」などで新物件取得にかかった費用をアピールするとよい