大家さんの「相続対策」 ④
保険×不動産マイスター 津曲(つまがり) 巖(いわお)より、お届けいたします。
第3回では、大家さんの相続争いを未然に防ぐ重要なステップ「分割対策」について、事例を用いてお話しました。
さて、最終回は「納税」対策について考えて見ましょう。
●第4のステップ「納税」対策
大家さんの相続税額は一般の方の税額よりも多くなることが一般的です。
しかし、有効な対策をしていないために最も価値の高い不動産から順番に処分して「納税資金」にあててこられる方も少なくありません。
なぜなら、価値の低い不動産は「買い叩かれ」十分な納税資金を確保できないことが多いからです。
第1のステップで「資産のたな卸し」をしっかりとしておけば、その中から「納税」にあてる物件、「遺す」物件を明確にすくことが出来ます。
「納税」に充てる物件が土地の場合、すぐに売却できるように「権利関係」を事前に明確にしておくことが肝要です。
① 共有関係の解消
② 境界の確定
③ 賃借権などの第三者の権利関係の整理
は、必須です。(申告、納税まで相続発生から10ヶ月という期限があるのです)
また、郊外の駐車場など「低利用地」については、売却して「収益性」の高い不動産へ「資産の組み換え」を積極的に行うことも重要です。
生まれた収益で新規物件購入や生命保険の加入によって第3回でお話したように「換価分割資金」や「代償分割資金」、直接的に「納税資金」の積立などに転用が可能になります。
このように大家さんの「納税」対策には、「資産のたな卸し」「流動性の確保」と「収益性の検証と組み替え」は生前に出来る「3つの柱」と言えます。
そのすべての段階で、不動産コンサルティングマスター、弁護士、税理士、司法書士、ファイナンシャル・プランナー、現役大家さんなどの専門家の「智慧」はとても大きいと思います。
相続対策はひとりで悩まずに、専門家へ!