大家業においては、物件を購入した際に保険料を一括で支払う場合があります。今回はその処理方法について説明します。
1.損害保険料の一括払いは要注意
(1)全額が経費にはならない
新築はもちろん築古の物件を購入する際にも、火災保険や地震保険などの損害保険への加入が義務付けられることがあります。その際、数年分の保険料を一括で納めることになる場合がほとんどですが、この保険料は、支払った全額をその年の経費にすることはできません。
保険料は数年分をまとめて納めていますので、当然に、その効果が及ぶ年数に振り分けて経費にすることが求められます。
(2)費用ではなく資産
一括払いはキャッシュフロー上は当然に不利な支出ですから、その金額には注意しておきましょう。
2.所得控除との関係に注意
(1)大家業ではどっちがお得?
大家業において損害保険料は基本的に全額が経費になりますが、これはアパートやマンション等にかかる保険料に限られます。
一方所得税の計算上では、損害保険料のうち地震保険料のみが全額所得控除の対象となりますが、これは自宅分でも事業用でも区分がありません。
ただし、所得控除の場合は上限額があるので(50,000円)、基本的には大家業の経費にした方が有利だということは言うまでもありません。
(2)生命保険は所得控除のみ
保険と言えば生命保険料の扱いについても気をつけなければなりません。
生命保険料は所得税の計算上は経費とはせず、所得控除という形で税金を減らす効果があります。その金額は支出額そのものではなく、所定の方法によって計算された金額のみが税金の計算に使われ、しかもこちらにも上限額があります。
大家業を営む上では、生命保険料は事業には関係のない支出になることにご注意ください。
3.まとめ
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