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リーゼント先生のやさしい相続
第二十三回「結構ある!?相続税の税額控除まとめ」

相続税の計算をするに当たっては様々な税額控除や特例計算、様々な節税策があり、それぞれ相続税の負担を軽減する効果があります。そのうち今回は直接相続税を減額することができる7種類の税額控除についてまとめていきます。

1. 暦年課税に係る贈与税額控除

⑴ 適用要件

① 生前贈与加算される財産(相続等により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から受けた贈与財産)があること

② ①の財産につき課せられた贈与税額があること


⑵ 控除額

生前贈与加算に係る贈与税額(ただし、加算税等及び相続時精算課税に係る贈与税額を含みません。)

2. 配偶者に対する相続税額の軽減

⑴ 適用要件

被相続人の配偶者が相続等により財産を取得していること

⑵ 控除額

被相続人の配偶者が相続等により実際に取得した正味の遺産額に係る相続税額のうち、次の金額のうちいずれか多い金額までに係るものとして計算した金額

① 1億6千万円

② 配偶者の法定相続分相当額

※ 詳細は、第18回「配偶者がいれば一安心!?(配偶者の税額軽減①)」、第20回「配偶者がいれば一安心!?(配偶者の税額軽減②)」を参照ください。

3. 未成年者控除

⑴ 適用要件

① 相続等による財産取得時に国内に住所がある者(一定の者に限るものとし、一定の国内に住所を有しない者を含みます。)

② 相続等による財産取得時に20歳未満の者

③ 被相続人の法定相続人(相続税法に規定する法定相続人をいい、以下4.において同じ。)で20歳未満の者

⑵ 控除額

100,000円×(20歳-その者の相続時の年齢(1年未満切捨))

4. 障害者控除

⑴ 適用要件

① 相続等による財産取得時に国内に住所がある者(一定の者に限ります。)

② 被相続人の法定相続人で障害者であること

⑵ 控除額

100,000円(又は200,000円※)×(85歳-その者の相続時の年齢(1年未満切捨))

※ 一定の障害者の区分に応じて定められた控除額により計算をします。

5. 相次相続控除

⑴ 適用要件

① 相続により財産を取得していること(民法に規定する法定相続人であること)

② ①の相続に係る被相続人がその相続開始前10年以内に開始した相続により財産を取得していること

⑵ 控除額

前回の相続により課税された相続税額を年10%逓減した金額を基礎としたもの

6. 外国税額控除

⑴ 適用要件

① 相続等により国外財産を取得していること

② ①の国外財産について外国法令により相続税に相当する税が課せられていること

⑵ 控除額

次のうちいずれか少ない金額

① 外国法令により課せられた税額

② 我が国における相続税額×国外財産の価額÷相続等による財産の価額

7. 相続時精算課税に係る贈与税額控除

⑴ 適用要件

① 被相続人からの贈与財産につき相続時精算課税の適用を受けていること

② ①の贈与財産につき課せられた贈与税額があること

⑵ 控除額

相続時精算課税に係る贈与税額(ただし、加算税等及び暦年課税に係る贈与税額を含みません。)

8. 注意点

・「配偶者に対する相続税額の軽減」については結果として相続税額が0円となったとしても申告書の提出が必要となる点などがあります(詳細は、第18回「配偶者がいれば一安心!?(配偶者の税額軽減①)」第20回「配偶者がいれば一安心!?(配偶者の税額軽減②)」を参照ください。)。

・「相続時精算課税に係る贈与税額控除」以外については還付の適用はありません。

まとめ

税額控除については、被相続人との関係性(配偶者や相続人など)に着目したもの、二重課税を調整することを目的(暦年課税・相続時精算課税による贈与税額控除、外国税額控除)があります。

様々な控除がありますので、個別事情を考慮して漏れのない適用をしていきましょう。

ABOUT ME
羽藤徹夫
税理士法人 大石会計事務所所属。 高校卒業後は主にガテン系の肉体労働に従事。体力の限界を感じ、税理士試験の勉強を開始。合格を機に税理士試験の受験専門学校へ転職。大原簿記専門学校で相続税法、法人税法の教鞭をとった経験を元に、相続税をやさしくわかりやすく解説。
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