『代々の資産家が知るべき資産保全の考え方』
こんにちは。ファイナンシャルプランナーの駒崎竜より、お届けいたします。
今月の特集では、『代々の資産家が知るべき資産保全の考え方』について、
情報提供をしています。
今週は、「懸念事項」について考えてみましょう。
3.懸念事項
① 健康に関する課題
家族に大病を患った人や障害を持つ人、介護が必要な人がいる場合、継続的な支援者を 確保したり、生活費を賄えるような準備をしなければなりません。また、自分自身も健康上の課題や体力の衰えを感じている場合は、健康に関する課題を1人で抱えないようにしないとなりません。そのため、家族や外部の専門家に協力を仰ぐ選択肢も必要です。
② 家族に関する課題
家族内で人間関係に関する懸念がある場合、問題の把握や解決策を行うために十分な時間が必要となります。問題を後回しにせず、早い段階で適切な措置を行って行かないと資産の保全に悪影響が出てしまいます。
子供や孫の教育問題も悩みの1つです。お金の準備をすれば良いという訳ではなく、私立の有名学校に進学させたいのであれば、入学準備のノウハウはもちろん、合格させるための 受験指導を誠実に対応できる有識者を人脈に持つ必要もあります。
そして、学業を終え、企業で武者修行を積んできた後継者に賃貸事業やその他の家業を 承継する時期が来た時には、どのように後継者を育成するかが重要になります。 家訓を作成し、家族会議を行いながら事業の改善等を親子で一緒に行い、後継者が賃貸事業を引継ぎたいと思うような承継計画が必要になります。
③ 財産に関する課題
賃貸事業のキャッシュフローが不足している場合、経営者としては自らの資産を取り 崩し、事業の不足資金を補填する必要があります。 そのため、事業の悪化要因をしっかりと把握し、問題解決を早期に行う必要があります。 今ある資産を保全するためにも、事業のキャッシュフロー改善は急務です。 相続財産の分割は、公平性と効率性の2つの基準で検討する必要があります。公平性では、資産を担う責任の重さとリスク、これまでの家業の資産形成や被相続人の介護にどの程度 貢献したのかを総合的に判断し、公平な財産分割である必要があります。 効率性では、相続税の支払いをいかに減らし、納税資金をいかに低いコストで調達するの かを考える必要があります。 2つの基準を満足いく形にするのは一筋縄ではいきません。感情が絡み、争族会議にならないよう、資産分配の方針を決めておくことが問題を深くしない方法になります。
健康、家族、財産に関する課題はありますか?
現状を把握することから始めてはいかがでしょうか?