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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第五十五回】賃貸経営のプロ廣田 裕司が斬る!③

●廣田が語る!~厳しい環境下での賃貸経営
ここが気になる!~ その3

大家さん兼不動産屋の廣田です。                          先週に引き続き、賃貸経営のここが気になる!その3をお届けします。

●アパートの建替え

最近(新築時に借りた)借入金の返済が終わっていないアパートの建替えを建設会社から 勧められ、実行に移す大家さんの話を聞きました。新しく建てるアパートの建築費は、従来のお付き合いのある銀行ではく、建設会社が提携している金融機関から融資を受けるそう です。この建替えについて、その大家さんの資産状況や建替え計画の詳細が不明などで  なんとも言えませんが、建設費のほかに残債の返済も必要なので、借入金が多くなると思います。借入金は相続税対策にもなるし、今は金利が安いから大丈夫という人がいますが、 借入金が増えることは、賃貸経営上大きなリスクを負うことになります。

一般的にアパートは古くなると、維持費が増加します。また、周辺に建築される新築の物件と競合になり、空室も増えてきます。このように老朽化したアパートをどのように対処  すべきか悩まれている大家さんは多いのではないでしょうか?そこで、アパートの建替えについて書いていきます。

●建替えが必要なのか

そもそも、アパートを建替えすることは、賃貸経営を進める上での問題解決の方法の一つ です。建替えを検討する前に、なぜ建替えが必要なのかを明確にすることが重要です。  雨漏りや、建物の破損、耐震性能など、建物自体の問題なのか、老朽化によって競争力が なくなり、空室率が増加し収益が上がらないというような問題なのか。         考えてみてください。問題点を明確してから、その問題を解決するために、本当に建替えが必要なのか、修繕やリフォーム、リノベーションでの対応も視野に入れて、判断することが重要です。

次に、考えるのが建替えるタイミングです。建替えが必要だと判断しても、今すく建替えに着手すべきか、数年後に実施するのか、ということです。               単純に「もう築年数が30年を超えたらから建替えが必要」をいう話を聞きますが、   古くても、建物的に問題がなくて、ある程度稼働していれば、すぐに建替えをする必要はないと思います。                                  また、前回 書いた通り、立地について考えてみる必要があります。その場所が以前に  アパート建築した時からの周辺環境の変化点を探してください。たとえば、近所あった大学のキャンパスが移転したとか。周辺環境の変化が、賃貸経営に与える影響は大きいと思います。今後その場所での賃貸経営が難しいと予想される場合は、売却、買替のなども含めて検討する必要があると思います。                           アパートの建替えは、いつかは必要になります。リニューアルすることで収益アップなどのメリットもあると思います。一方、建設費用や既存の入居者さんの退去費用など資金の問題や、建設期間中は収入が入らないというようなデメリットもあります。
アパートの建替えを検討する時は、建設会社やハウスメーカーからの提案だけを聞くだけでなく、他の人や業者さんの意見に耳を傾けることも必要だと思います。周辺の状況やご自身に資産の状況などを考慮し自分自身で考えて、建替えが本当に必要か、必要であればいつやるのが良いのか、を判断することが重要です。
迷われたときは、ぜひ「大家さんも道しるべ」の専門家グループをご活用ください。

 

ABOUT ME
廣田裕司
〇空室相談、賃貸経営全般 有限会社丸金商事 取締役 合同会社アップ 代表社員 大学卒業後、メーカーに勤務、主に土木、建築資材営業 生産管理を経験。2001年に妻の実家の賃貸事業をベースに、有限会社丸金商事を設立。同社の取締役に就任し、(当時は兼業)賃貸経営の関わるようになる。2008年に相続により同社代表取締役に就任。翌2009年の会社を退職し専業となる。現在までに3回 新築物件(6棟、27戸)を手がけ、12棟90戸所有。2019年合同会社アップ設立。
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