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森広忠の名古屋大家道
第二十四回「大家さんの相談で驚いたこと④税理士顧問料の安さ」

先月10月27日(日曜日)に中村区役所駅そばの会議室にて、名古屋大家塾定例会「初心者大家さんのための青色決算書・確定申告書のつくり方」というテーマで講師をさせていただきました。
10時30分から16時45分までと長時間にわたり、50名近い方に参加していただけ、本当にありがとうございました。

テーマの意気込みや受講者の方のやる気はよかったのですが、私がレジュメに内容を盛り込みすぎて、後半駆け足になってしまったのが失敗でした。今後時間配分に気を付けたいと思います。

毎年、1年に1回ぐらいの頻度で名古屋大家塾さんでは講師をさせていただいています。
その中で、大家さんの悩みや相談を受けるのですが、
今回は相談で驚いた『税理士顧問料の安さ』についてかきたいと思います。

今回の名古屋大家塾の来ていただいた方で2度目の相談を受けたI様がみえました。
お父様が始めた賃貸業を受け継ぐ立場にある40代の方です。
お父様の個人の家賃収入は3千万円。かなりの収入があります。
講義の休憩中に、I様のお父様の確定申告書をみせていただきました。

申告書の内容は、昔のコラムにも記載しましたが

「事業的規模なのに青色申告控除が10万円しか使っていない!」
「小規模企業共済の節税手段が全く使われていない」

と私から見ると節税に気が使われていない問題がある申告内容でした。

「どうしてこんなに賃料収入もあり、所得税も高額に払っているのにアドバイスのない確定申告書ができあがるのだろう?」
と疑問に思いあることを質問してみました。

「今の税理士さんへ支払っている毎年の顧問料はおいくらですか?」

お聞きしたところ8万円以下の金額を教えていただきました。

税理士も人間です。限られた時間の中で動いています。
家賃収入3千万超の確定申告書を作るのにはかなりの時間を必要とします。
何かを削らないといけません。

まっさきに時間が削られます。

資料を年明けに1度もらい、大急ぎで税理士か事務員が1年分の資料をパソコンに打込み確定申告書を作成する。

年の途中で税理士や事務員がお客様とあったりしたら、
アドバイスも求められ、時間を取られる。
だから、年1回資料をもらう時だけ、税理士または事務員が会い、
時間を極限まで削り、利益を上げなければいけなくなります。

先日お客様からお聞きした、建設業の日当は2万5千円ぐらいです。

弁護士さんの相談料は、30分5000円とお聞きしたことがあります。

建設業3日分程の日当、弁護士さん8時間程の時給で収入3千万円の確定申告書をつくり、
知的なアドバイスを要求するのは難しいと思います。

こういった方は相談を受けていると、結構みえます。

会社役員をしていて、その顧問税理士に個人の不動産所得の申告もお願いすると安めにやってもらえることが多いです。
それは、会社の顧問料が高めで、さらに資料も会社の経理と一緒にもらえるからです(資料収受の時間が増えない)。

私も父が大昔、実家の相続や確定申告を税理士さんに頼んだことがあるので
「安くやって欲しい」
という願いはわからないこともないです。

ただ、バランスを考えて税理士顧問料もお支払いにならないと、
毎年の所得税・住民税を多く支払わなければならなかったり、
事業承継や相続時に適切なアドバイスがうけられなかったりします。
「安かろう悪かろう」
になる可能性もあると認識ください。

まとめ

・安すぎる税理士顧問料にはご用心

・税理士も人間、限られた時間で動いている

・安すぎる顧問料は「安かろう悪かろう」になる可能性がある

ABOUT ME
森広忠
名古屋市出身、名古屋経済大学大学院卒業後、2008(平成20)年シンプルタックス森会計【森広忠税理士事務所】設立。税理士として、個人事業・中小企業の顧問を行う。実家が古くからある地主で、不動産賃貸業をアパート、貸倉庫、貸地、貸家、月極駐車場で営んだ経験あり。 顧問先に不動産賃貸業者が多く、不動産・不動産管理会社を利用した所得税・法人税・相続税の節税相談の経験が多くある。
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