『既存不適格』
こんにちは。一級建築士の遠田(エンダ)です。
賃貸業界の繁忙期の3月も過ぎ、少し落ち着いてきた頃合いでしょうか。 今月は『既存不適格』をテーマに、毎週以下の内容で情報提供を致します。
1回目:『既存不適格』とは?
2回目:『既存不適格』といえば、これ!
3回目:『再建築不可』とは?
4回目:『既存不適格』建築物で気を付けるべきポイント
『既存不適格』とは?
不動産のマイソクでもよく見かける『既存不適格』物件、これは一体どのような物件なのでしょうか。
ちなみに…、「物件の購入は考えていないから関係ないかな?」と思われた方、そんな事はありません!
実は所有物件の『リフォーム』をするときにも影響してきます。
『既存不適格』という言葉は、意外かもしれませんが…、建築基準法の中に出てくる言葉 ではありません。
そのため明確な定義はありませんが、参考になりそうな条文があります。
【建築基準法 第3条第2項】
この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際現に存する 建築物若しくはその敷地又は現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物若しくは その敷地がこれらの規定に適合せず、又はこれらの規定に適合しない部分を有する場合に おいては、当該建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、
当該規定は、適用しない。
だいぶわかりづらい表現ですが、要約するとこのようになります。
「建築時に法律等に適合していれば、新たな法律等ができたことで、
法律等に不適合になったとしても、法律等に適合させる必要がない」
こんな物件を『既存不適格』物件といいます。
※『既存不適格』=違法(違反)ではありません!
「違法(違反)建築物」というのは、「そもそも建築時の規定に適合していない建築物」 のことをいいます。
ちなみに、建築基準法等の規定はほぼ毎年のように改正されます。
だとすれば、世の中の大半の物件はどこかしら既存不適格であるという認識を持っても 間違いないかもしれません。
次回の配信では、『既存不適格』といえば、これ!というところにふれていきたいと 思います。