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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第七十九回】一級建築士 遠田 将徳が斬る!④

『既存不適格』④

こんにちは。一級建築士の遠田(エンダ)です。
今月は『既存不適格』をテーマに、毎週以下の内容で情報提供を致します。

1回目:『既存不適格』とは?
2回目:『既存不適格』といえば、これ!
3回目:『再建築不可』とは?
4回目:『既存不適格』建築物で気を付けるべきポイント

ここまで『既存不適格』、『違法(違反)』建築物、『再建築不可』とふれて
きましたが、最終回では『既存不適格』で気を付けるべきポイントについて
ご紹介したいと思います。

 

『既存不適格』で気を付けるべきポイントとは?

『既存不適格』はどんな問題点があったでしょうか?

①違法建築物になってしまう可能性がある
②同様の建物が建築できなくなる

今月の配信の中で何度かふれてまいりました、この2点が非常に大きな問題点です。

この問題を起こさないようにするためには何に気を付けていくのか。
これが今回の本題となります。

①違法建築物になってしまう可能性
→『リフォーム時に適切な工事をする』

※安価にリフォームをすることは良いことですが、確認申請・検査のない工事
=建築基準法に対応する必要がない、ではありません。

すべての建物が建築基準法を遵守する必要があります。
中には違法を勧める業者様がいらっしゃるかもしれませんが、最終的にはすべてオーナー様へ跳ね返ってくることとなります。

②同様の建物が建築できなくなる
→『建て直す場合は今の基準を確認する』
※解体の前に必ずプランニングをしてもらいましょう。その上で、リフォームを
するのか、再建築をするのか、売却をするのか検討が大切です。

特に以下の項目は気を付けて確認しましょう。

①高度地区
②建ぺい率、容積率の変更
③用途地域の変更
④条例の改正
⑤風致地区
※建ぺい率、容積率、隣地間距離など建物外形に大きく影響を与える
可能性があります。
⑥地区計画(以下参考、東京都都市づくり政策部)

4月は『既存不適格』物件をテーマにメルマガを書かせて頂きました。
お読み頂きましてありがとうございます。
なんとなくでもご理解は頂けましたでしょうか。
ご不明点がございましたら遠慮なくご連絡ください。

 

 

ABOUT ME
遠田将徳
株式会社ウィル建築設計 顧問/武蔵工業大学工学部建築学科卒業。一級建築士、色彩検定二級。 ハウスメーカーにて、モデルハウスの企画設計・デザインコードの作成、戸建分譲のランドスケープデザインを経て、賃貸住宅の設計を経験。戸建住宅・賃貸住宅の新築、リフォームの見積り、外構工事と幅広く手掛け、許認可業務、実施設計、デザイン、コーディネートまで、建築に関わる様々な目線からの適切なアドバイスを得意とする。
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