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森広忠の名古屋大家道 第三十五回
『地主さんのための賃貸経営術③ ~意識改革2~』

 

新型コロナウィルスの緊急事態宣言が37都道府県で解除され数日がたちました。
私の住んでいる愛知県は国の緊急事態宣言は解除されましたが、県独自の緊急事態宣言を5月末日まで維持する予定です。
新規の新型コロナウィルス発症者の方が毎日0人になり、このまま終息に向かってくれるとありがたいと思っています。

 

さて、今回は意識改革の2回目を書いていきたいと思います。

生涯にわたって自宅以外の土地資産を残した方(地主さん)、
1億円以上の土地や財産を残した方は、
亡くなった後、どうなるでしょうか?

正直言いまして、税理士として相続の場に立ち会うとテレビや書籍で書いてあるような
相続争いの現場には、あまり立ち会いません。

多くの方は、亡くなられた方の奥様、長男さんや長女さんなどの代表相続人の方が
スマートに相続財産を分割し相続し、
仮に税務調査があっても問題なく対応される場合がほとんどです。

これは、顧問をさせていただいていると、亡くなられた方の意志を私がお聞きしており、
争いにならないように誘導していくからかもしれません。

長年、税務の現場に立つと争いになりやすいケースとそうでないケースがわかってきます。

例えば、お父さんがなくなって、奥様がみえ、お子さんお一人だと
争いになりにくいです。

 

また、兄弟姉妹がみえて、その中に仕事や金銭的に恵まれていない方が1人でもみえれば、争いになりやすくなります。

反対に兄弟姉妹がみえても、仕事や金銭的に恵まれていれば、
争いはおこりにくいです。

 

ですので、相続人にトラブルメーカーが1人でもいる場合は
要注意だと思った方が良いです。

トラブルが起こりやすい場合は、意識を変えるしかありません。

この時、役に立つのは公正証書遺言になります。

公正証書遺言があれば、土地建物の名義の登記なども変えることができます。

要注意の場合で、銀行から借入金があり、返済を続けていかなければならない場合は、
必ず公正証書遺言を、資産をお持ちの方が亡くなる前にご検討ください。

私が心の師だと思っている税理士さんは
「相続の極意は、相手にゆずること」
「ゆずれば、争いにならない」
と述べています。

トラブルが起こりそうな場合は、意識を変え公正証書遺言を作って対抗するか、
裁判をする前にゆずっていくかどちらかになります。

裁判になれば、弁護士費用も時間もかかり、判決は法定相続分(妻が見える場合は、妻は2分の1、子は残りの2分の1を人数で割る)になる可能性が高いです。
割り切って意識を変えた方がよろしいと思います。

【次回に続く】

まとめ

・地主さんの相続には争いになりにくい場合と、なりやすい場合がある

・争いになりやすい場合は、意識を変えて、対抗策(公正証書遺言等)を考えるか「ゆずる」かしなければならない

ABOUT ME
森広忠
名古屋市出身、名古屋経済大学大学院卒業後、2008(平成20)年シンプルタックス森会計【森広忠税理士事務所】設立。税理士として、個人事業・中小企業の顧問を行う。実家が古くからある地主で、不動産賃貸業をアパート、貸倉庫、貸地、貸家、月極駐車場で営んだ経験あり。 顧問先に不動産賃貸業者が多く、不動産・不動産管理会社を利用した所得税・法人税・相続税の節税相談の経験が多くある。
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