~大家さんのリスクとは?~
今月号は、保険×不動産マイスター 津曲(つまがり) 巖(いわお)より、
お届けいたします。
ウクライナ情勢も刻一刻と深刻さを増しています。
犠牲になられた方々の衷心
廻向と戦禍の早期鎮静を祈りつつ今月号を送らせていただきます。
拝読いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
今号は、
分かりやすく、まずは「3つの指数」のうち残りの2つを
確認をしていきましょう。
●注目する不動産経営上の「指数」=「実効総収入」とは
実効総収入とは、前回触れたように
『想定満室時総収入』―『空室・滞納リスク(損失)』で求めることができます。
満室状態が何年も続く超優良物件もございますが、
ほとんどの物件が、空室を抱える期間があります。
年間12カ月の内、何カ月空室期間があるか?
空室期間が長くなればなるほど大家さんの胸中いかばかりか。
想像に難くありません。
巷では、空室期間を最短にする方法や他の競合物件に勝つリノベーション、
そもそも、土俵を変える=ペット特化型や音楽特化型などの
工夫などなど溢れている状況もそれを裏打ちしています。
また、この空室期間を極力短くする努力、
工夫こそが物件の寿命を延ばすといっても過言ではないでしょう。
ただ、賃料収入【安定確保】のためにここで忘れてはならないのは、
家賃の「滞納リスク」です。
いかに入居時に厳格に人的属性を審査しても、
入居中に「失業」「転職」などによる収入減による滞納は
少なからずありましたが、今回のコロナ禍による収入減で家賃の
滞納リスクが大きくクローズアップされたことは記憶に新しいですね。
このリスク回避のために「保証会社」を必ず通すのもリスクヘッジとして
有効な手段です。
さらに、家族構成の変化から独居死(孤独死)や室内外での自殺による
空室リスクもコロナ禍で増加傾向にあります。
室内の清掃、リフォーム、この間の収入減をカバーする損害保険も
注目されています。
不可抗力による収入減には、
損害保険の活用しか対応できないからこそ、
適切な保障を適正な保険料でカバーすることがますます重要です。
不動産管理・経営の面で、しっかりと「マサカ」に備え、
月次もしくは年次で「異変」
を素早くキャッチすることがますます求められます。
さて、3番目の指標について、みていきましょう。
●注目する不動産経営上の「指数」=「NOI」とは
NOI(営業純利益)とは、
=実効総収入―運営費用(修繕費・管理費等支出+税金)で求めます。
ご自身にとって適正な「純利益」はどの程度を想定しているか。
年間を通じて安定確保できているか。重要なポイントですね。
ここでは「修繕費」に着目して年間平均でどの程度か?
空室率との関連、大規模修繕との兼ね合い等々見極め想定する利益を
「安定的に」確保し続けられる仕組みの構築が大切です。
以上、前号より二週続けて不動産経営上の特に重要な3つの指標の勘所をみて
きました。いかがだったでしょうか。
さて、最終回は、これらを踏まえて大家さんにとっての「デッド・クロス」とは
も確認してまいりましょう。