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そもそも103万円の壁って何?

東京の中心で税務を叫ぶ 第151回コラム

そもそも103万円の壁って何?

大家さん
大家さん
そもそも103万円の壁って何?
大野
大野
そもそも103万円の壁って何?についてお話します。

こんにちは!
2025年税制改正で103万円の壁に関する改正案が出されました。

そもそも103万円の壁というは、
103万円以下の給与を受取った場合は、
税金が発生しないというラインのことです。

まず、所得が発生したとしても誰でも一律に控除される金額があります。
基礎控除といって48万円です。
つまり、48万円までは所得税がかからないことになります。
これは最低限の生活費には課税しないという考え方に
基づくものといわれています。

また、サラリーマンの人は、
経費が発生しても給与所得からマイナスすることはできません。
その代わりに、給与所得控除といって、
給与の額に応じて一定の金額を経費のようにマイナスすることができます。
下記の計算表の通り、
この給与所得控除の最低金額が55万円です。

基礎控除48万円と給与所得控除55万円を合わせて
103万円までが給与をもらっても税金か発生しない、
逆にいうと、それを超えると税金が発生するため
103万円の壁と言われていました。

今回の改正では、
基礎控除と給与所得控除の最低金額を
10万円ずつ上げることになりました。
基礎控除は58万円、
給与所得控除の最低金額は65万円になりました。
その結果、税金がかからないライン、
つまり壁は123万円に引き上げられたことになります。

ただし、気を付けて頂きたのは、
基礎控除はすべての人が対象ですが、
給与所得控除は、最低金額の55万円が65万円に上がっただけなので、
給与の少ない人だけが対象です。
また、今回の改正は所得税だけが対象で、
住民税に改正はありません。

そのため、所得金額別に年間の減税額を試算してみると、
下記のように少額であることが分かりました。

まとめ

①103万円の壁の改正案が出されましたが、大きな減税にはなりませんでした。

②今回の改正案は与党の税制改正大綱なので、国会ではまだ決定されていません。

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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