令和５年度税制改正③法人税その他編

渡邊浩滋の賃貸言いたい放題　第１１８回

令和５年度税制改正③法人税その他編

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今回は、改正の法人税その他を中心に解説していきます。

●中小法人の法人税率の軽減の延長

・中小法人の年800万円以下に対する軽減税率を19％から15％にする措置を
令和7年3月31日まで2年間延長する。

●節税商品の規制

・中小企業経営強化税制（100％償却もしくは10％税額控除）について、
コインランドリー事業、暗号資産マイニング事業の用に供する資産を除外した上、
令和7年3月31日まで２年間延長する

●国民健康保険税の上限の増額

・後期高齢者支援金分の上限を２万円増額。
上限トータルが１０４万円になります。

●防衛費増税

令和５年度の改正ではありませんが、改正の検討事項の中で、
法人税額に対して、税率4～4.5％の付加税を課すことが検討されています。
中小法人は法人税額から500万円の控除ができるようにする。

〇大家さんへの影響と対応策

中小法人の法人税率の軽減の延長によって、
令和5年度の資本金１億円以下の普通法人の実効税率は、
下記になります。
所得400万円以下　21.36％
所得400万円超800万円以下　23.17％
所得800万円超　33.58％

個人の場合、所得が330万円を超えると、
超えた部分の所得税・住民税の税率が30％を超えます。

賃貸経営で戦略的に法人化をしていくことが有効かと思いますが、
気になるのは防衛費による法人税の増税です。

中小法人は法人税額から500万円の控除ができるようなので、
増税の影響を受けるかどうかは、
利益調整がキモになると思われます。

また、昨年のドローン節税に引き続き、節税商品が規制されました。
今回はコインランドリー節税と暗号資産マイニング節税です。
いずれも設備を購入したときに全額経費にすることができましたが、
できなくなったということです（通常の減価償却は可能です）。

今後も節税商品は規制されると思われます。
新たな節税商品が出てきたとしても警戒した方がよいでしょう。

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