ブログ

専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第377回】
 二代目大家の小宮 哲朗が語る  ④

早期成約のための入居者募集

皆さんこんにちは。今月は二代目大家の小宮 哲朗より
「早期成約のための入居者募集」と題して、4回に分けてお送りいたします。
第4回目は「キャッシュフローを意識した新たな空室対策」です。

前回は「空室対策」について、事前に準備、確認すべきことを中心にお話しました。
今回はキャッシュフローを意識した新たな空室対策として、
「物件設備のリース」についてお話します。

「空室対策で最新設備を導入・入れ替えをしたいが、
購入費用が高額で手が出ない」
「設備投資したいが、手元資金も余裕を持たせたい」
最近の物価高騰により賃貸住宅の設備価格も高騰していることから、
こんなお悩みを抱えた大家さんも多いのではないでしょうか?

◆物件設備をあえて「持たない」という選択
物件設備は大家さん自らが購入・所有するのが一般的ですが、
リース会社が購入した物件を賃借して使用する「リース」という方法もあります。
リースは基本的に毎月固定のリース料金のみを支払うだけで、
物件設備として使用することができます。
リース設備で一般的なのはエアコン・給湯器が多く、
他にはIH調理器、TVモニターホン、電子ロックキー、
ウォシュレット、宅配ボックスなどもあります。

所有とリースの違いを比較すると、下記表の通りです。

◆リースのメリット
1.設備導入時の初期費用(購入資金)が不要なため、手元資金を残しておくことができる
2.費用は毎月固定のリース料金のみで、収支計画が立てやすい
3.リース料金は全額経費計上ができる
4.所有でないため、保険料、固定資産税がかからない
5.メンテナンス契約がセットになっているケースが多く
リース期間に故障しても修繕費がかからない

◆リースのデメリット・注意点
1.所有権がないため、減価償却費を計上することができない
2.購入する場合に比べ支払金額が割高になる
例えばエアコンを10年間使用するという条件で所有とリースを比較した場合、
リースの方がトータルの支払金額は高くなります。
理由はリース会社が負担する保険料・固定資産税が加味されているためです。
逆に所有の場合は導入初期で購入費用の大きなキャッシュアウトがありますが、
10年間トータルでの支払総額は購入の方が安くなるのが一般的です。

3.リース期間中は原則中途解約ができない
設備のリース期間は設備の種類やリース会社のプランによって様々ですが、
一旦リース契約を締結するとリース期間が満了するまでは原則中途解約ができません。
例えば給湯器を5年間のリース期間で契約し、3年で解約する場合は、
残り2年分のリース料金を一括で支払うことで解約できるケースが多いです。

4.リース契約終了後も物件を使用する場合、再リースか買取が必要となる
当初の契約リース期間が満了し、その後も引き続き設備を使用したい場合は、
再リースという形で新たにリース契約を締結する必要があります。
この場合改めてリース料金が発生しますが、
再リースの場合は当初のリース料金よりも安くなります。
また再リース以外の方法として、
リース期間満了と共に中古で買い取って所有することもできます。
この場合は設備の購入資金が必要になりますが、
それまでリース期間で使用していた分中古になりますので、
買取金額はその分安くなります。

◆まとめ
冒頭にもお伝えしましたが、
「空室対策で最新設備を導入・入れ替えをしたいが、
購入費用が高額で手が出ない」、
「設備投資したいが、手元資金も余裕を持たせたい」
こんな時に活用できるのがリースです。
ただし単純に目先の負担費用の大小だけは、判断できません。
賃貸経営全体のキャッシュフローを見極めながら、
長期的に安定した賃貸経営を行うためにはどちらがよいかを判断し、

所有とリースを使い分けることをおすすめいたします。

以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

ABOUT ME
小宮 哲朗
小宮 哲朗(こみや てつろう) エターナルフィナンシャルグループ IFA事業部長 ◆保有資格 CPM(認定不動産経営管理士)、宅地建物取引士、AFP、 証券外務員二種 ◆経歴◆ IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)、 不動産コンサルタント、二代目大家。 不動産投資は2012年にサラリーマン大家として開始。 実家が個人の地主系大家のため、 相続対策として法人化を実行し現在に至る。 サラリーマン時代は不動産ポータルサイト「HOMES」の 運営会社でエンジニアを勤め、不動産会社向けシステムの開発に従事。 現在は不動産、金融両方に精通したIFAとしてコンサルティングに従事。
さらに詳しく知りたい方へ