~こんな時どうする?!大家さんの“生前”リスクを考える~
今月号は、保険×不動産マイスター 津曲(つまがり)巖(いわお)より、
お届けさせていただきます。
今月は、多くの銀行はじめ金融機関などで問題になりつつある
最近多くの大家さんが抱える生前リスクについて一緒に考えていきましょう。
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● 「生前リスク」の最たるものは・・・
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前回は、「相続」というテーマで、
早めの準備と対策は黄金律であることをお話いたしました。
まだまだ先のこと、自分の亡きあとは子供たちがうまくやってくれるは、
最も危険であることを確認できました。
今回は、現在、最も高い生前のリスクについてどのようなものがあるか
見ていきましょう。
所有物件そのもののリスク(入居率の低下、
メンテナンス費用の増大、事故対応、
デッド・クロスの乗り切り方等々)は、
経験値(智慧と工夫)と実行力で回避可能です。
しかし、自分自身の身体に関することは、突然やってきて、
不可避であることもあります。
1.事故
2.ケガ・病気
3.認知
4.高齢化に伴う身上問題
などなど。
特に「お金」にまつわるところの回避の方法を見ていきましょう。
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● 日常生活の中で、銀行に行けなくなったとき、どうする?
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ケガや病気などで銀行に行けなくなったら、入出金はできなくなります。
そうなる前に、できる対策を確認しましょう
例えば、取引銀行など金融機関に関してできる代表的なものとして、次のの2つのことがあります。
その1.
・「代理人キャッシュ・カード」の発行・
手続きは、窓口にて
1.本人確認証(運転免許証、パスポート、
マイナンバーカードなど顔写真付のもの、顔写真付でない場合は、
2つ(健康保険証や住民票など))
2.通帳、キャッシュ・カード
3.届出印
以上を持参し申請することで、
代理人キャッシュ・カードを預金者本人に交付してもらえます。
代理人に渡すかどうかは本人で決めることができるので、
すぐに渡すか否か管理できます。
その2.
・「代理人指名手続き」をする・
あらかじめ代理人(2親等以内の親族(配偶者や子))を
自身の代理人として指名しておくことで、本人に代わって代理人が出金することが可能です。
本人のみの手続きで代理人が窓口に行く必要がない銀行も多くあります。
指名された代理人は、本人に代わって、
・通帳 ・届出印 ・代理人の本人確認書類の3点を窓口に持参することで
出金が可能です。
いずれも、発行にあたっては預金者本人が、
直接窓口で手続きする必要があるので、
元気な時にしておくことが肝要ですね。
今回は、日常的なお金の出し入れに対してすぐにできる対策を確認いたしました。
次回は、最近ご相談が特に増えている「家族信託」について考えていきしょう。