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相続税はなぜ課税されるの?

渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第145回

今回から相続税の基礎から応用までわかりやすくQ&A方式で解説していきます。

Q 相続税はなぜ課税されるの?

A
相続税は全世界共通のものではありません。
相続税が課税される国もあれば、相続税がない国もあります。

なぜ日本は相続税が課税されるのでしょうか?

1.相続税の成り立ち
日本に相続税が誕生したのは、日露戦争がきっかけです。
戦争には多額の資金が必要となります。
その戦費の調達として相続税が導入されました。
開戦の翌年である1905(明治38) 年1月1日に公布、
同年4月1日に施行されたのです。

戦争が終わっても相続税が残っています。
戦後に税制が整備されたことで、相続税の意義も変わっていったのです。
現在の相続税の目的は、「富の再分配」にあります。

財産の価額が高くなるほど税率が上がる超過累進税率を適用しています。
富裕層になればなるほど高額な税金が徴収されることになるので、
社会全体の経済的不平等を緩和する目的を持っているのです。

2.相続税があることが本当によいの?
戦前は財閥が大きな力を持っていました。
相続税を最大90%にすることで、この財閥を解体する目的もありました。

世界から見たら、日本に超富裕層がいないのは
相続税があるというのも一つの要因と思います。
しかし、これがよいことなのか悪いことなのかは賛否両論です。

格差がなくなっても国が発展するかは別問題です。
日本は海外の優秀な企業に勝てないのは、
超富裕層が生まれないからなのかもしれません。

また優秀な経営者は、
相続税がない国へ移住してしまうという問題もあります。

今後の日本を考えるにあたって、
相続税をどうしていくべきか国民一人ひとりが考えていくべき問題と思います。

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ABOUT ME
渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
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