ブログ

利益を出さないと株価が高くなる?比準要素数1の会社

渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第179回

相続税の基礎から応用までわかりやすくQ&A方式で解説していきます。

Q 不動産オーナーが会社を設立する場合に、株式の相続税評価について、
注意するべきことはありますか?

A
非上場会社の株式(合同会社の場合は、出資金)の評価は、
「純資産価額」と、「類似業種比準価額」をミックスして、
算出することになっています。
一般的には類似業種比準価額が低くなることが多いため、
純資産価額とミックスされることで評価は大きく下がります。
しかし、特定の条件に該当する会社は「特定の評価会社」として扱われ、
類似業種比準価額が制限されます。
不動産オーナーが設立する会社の場合、
「比準要素数0の会社」以外にも、
もう1つ「比準要素数1の会社」にも該当しないかにも気をつける必要があります。

1.比準要素数1の会社とは
類似業種比準価額方式で使用する3つの比準要素
(配当金額、利益金額、簿価純資産価額)のうち、
2つが0である会社も、比較することが相応しくないため、
類似業種比準価額を制限します。

具体的には、次に該当する場合です。
〈1〉直前期末において2つの要素がゼロである
〈2〉直前々期末においても2つ以上の要素がゼロである

例えば、
配当金:0円
利益:0円
純資産価額:プラス
この状態が続いている場合、配当金と利益がゼロなので、
「比準要素数1の会社」に該当します。

税金を払いたくないからと、
利益を出していない会社が陥りやすいです。
この場合、類似業種比価額を25%だけ適用することになります。

株価評価 = 類似業種比準価額 × 0.25 + 純資産価額 × 0.75

通常の株価評価(小会社の場合)は、
「類似業種比準価額 × 0.5+ 純資産価額 × 0.5」で評価するため、
類似業種比準価額の適用割合が少なくなる分、
株価が大きくなり、相続税も多額になる可能性があるのです。
利益を出していないと、株価が高くなることに気をつけましょう。

≪セミナーのお知らせ≫
1.『 大家さん専門税理士が語る!税務調査と確定申告対策 』セミナー
コロナが明けて税務調査が盛んになってきています。
税務調査に向けた対策、来年の確定申告に向けた対策を学びましょう。
日時:10月22日(火)
19:00~20:30
場所:オンライン
費用:無料
お申し込みはコチラ
詳細・お申し込みはコチラ
https://www.kenbiya.com/sm/ol/t-t/pt-3/dt_48137hjg/

2.東海プチ大家の会(名古屋)で登壇
『大家さん専門税理士が語る!投資ステージ別法人活用術!』;
日時:11月23日(土)14:00~17:00(セミナー終了後、懇親会あり)
場所:オルバースビル 5 階A
名古屋市中村区名駅南 1 丁目 19-27 オルバースビル 5
費用:4,130円(懇親会込の場合:8,270円)
申し込み:
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02nv0k5w5zy31.html#detail

 

ABOUT ME
渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
さらに詳しく知りたい方へ