渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第187回
相続税の基礎から応用までわかりやすくQ&A方式で解説していきます。
Q個人の土地の上に、法人の建物を所有とし、
無償返還に関する届け出を提出しています。
法人の株価評価を計算する場合には、
常に20%の借地権を計上するのでしょうか?
A
「土地の無償返還に関する届け出」を提出して、
地代を発生させる(賃貸借契約)場合には、
土地(借地権)について、法人の株価評価を行う際に
次のルールがあります。
《個人の財産》
土地について、自用地評価額から20%を控除した
貸宅地として個人の相続財産に計上され、
相続税が課税されます。
《法人の財産》
純資産価額の計算上、
個人から控除された20%相当額を借地権として資産に加算します。
株価評価が上がることになります。
このように個人法人を通じて
土地の評価は100%反映するような取り扱いをしています。
しかし、土地の所有者でない人に相続が発生した場合、
状況は異なります。
たとえば、以下のような状況を考えてみましょう。
土地所有者:Aさん
建物所有者:B社(Aさんが30%の株主、Cさんが70%の株主)
Aさんの息子:Cさん
この状況で、B社の株主であるCさんが亡くなった場合を考えます。
Cさんが所有するB社の株式が相続財産となります。
このときのB社の株価評価にあたっては、
被相続人Cは同族株主ではあるものの、
土地所有者ではないため、
B社株式の純資産価額の計算上、
借地権20%相当を資産計上する必要はありません。
つまり、借地権20%を計上する場合とは、
被相続人が同族株主であり、
かつ、土地所有者であることが要件となります。
借地権20%の計上を避けるためには、
土地所有者以外に株式を所有させておくことが考えられます。
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