渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第188回
相続税の基礎から応用までわかりやすくQ&A方式で解説していきます。
Q父が所有する同族会社の株式が高くなっています。
相続後に死亡退職金を出せば株価を
下げることはできるのでしょうか?
A
非上場株式の相続税評価において、
相続後に支払われる死亡退職金については、株価が下がる要因になります。
しかし、純資産価額方式と類似業種比準価額方式で異なります。
(1)純資産価額方式
純資産価額方式では、
死亡退職金を負債として計上することができます。
死亡退職金は、課税時期において
未払いとなっているものであれば、
負債として計上できます。
《財産評価基本通達186(3)》
「純資産価額の計算上、
課税時期においてまだ負債として計上されていないもののうち、
被相続人の死亡により相続人その他の者に支給することが
確定した退職手当金、
功労金その他これらに準ずる給与の金額
(以下「死亡退職金等」という。)を負債に含める」
死亡退職金を負債計上することで、
純資産価額が減少し、結果として株式の評価額が下がります。
退職金支給は相続開始後からでもできる株価引下げ対策となります。
ただし、退職手当金等とみなされない
「弔慰金」については、純資産価額の計算上、
負債に該当しません。
(2)類似業種比準価額方式
類似業種比準価額方式では、
死亡退職金を計上することはできません。
類似業種比準価額は、
前事業年度以前の事業年度の数値を使用して計算します。
死亡退職金を支給する事業年度は
相続開始日以降の事業年度であるため、
相続開始日の前事業年度の数値には反映されていません。
直前期末の比準要素から被相続人の死亡退職金を控除すると、
比準要素の時期及び内容の同質性が崩れることになるため、
控除は認められていないのです。
したがって、純資産価額方式が適用される中小企業
(中会社・小会社)の場合、
死亡退職金の支給は相続税対策として
有効に機能する可能性があります。
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