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会社が受け取る予定の生命保険は株価に影響する?非上場株式の注意点その5

渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第189回

相続税の基礎から応用までわかりやすくQ&A方式で解説していきます。

Q父が所有する同族会社の株式の計算をするにあたって、
父の死亡を原因とした生命保険を会社が掛けています。

受取人が会社となっていますが、実際に受け取るのは、父の死亡後になります。
この生命保険金については、株価計算に影響するのでしょうか?

A
生命保険金は、会社の資産に含まれるため、
株式評価に影響を与えます。
保険事故発生により、生命保険金請求権が具体的に確定するため、
純資産価額方式で株価を計算する場合、資産として計上することになります。

支払いを受けることになる保険金額を、
相続税評価と帳簿価額にそれぞれ計上することになるため、
評価益には影響しないことになります。
なお、この生命保険に係る保険料が前払費用などに計上されている場合には、
前払費用を削除することになります。

また、この生命保険金を原資として死亡退職金を支払う場合には、
負債に死亡退職金を計上することができます。

さらに、(生命保険金-死亡退職金)✕37%(法人税等の税率)が
法人税として課税を受けることになるため、
この法人税等相当額について負債として計上することができます。

ただし、評価会社に繰越欠損金がある場合には、
保険差益(生命保険金-死亡退職金)から欠損金を控除して
法人税等を計算することになります。
なお、類似業種比準方式の計算については、直接的には影響しません

このように生命保険金に関連して、
帳簿に計上されないけれども、
株価計算上は計上しなければならない点に注意が必要です。

また、保険契約の解約返戻金なども、
通常は帳簿に計上されませんが、
実質的な会社の資産価値として考慮する場合があります。

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渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
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