こんにちは!
今回は経費の繰り延べについてお話したいと思います。
経費の繰り延べとは、今年の経費にしないで、来年以降の経費に計上することです。
普通はなるべく今年の経費を増やしたいと考えるケースが多いと思いますが、
経費の繰り延べが有効なのはどんなケースでしょう?
経費の繰り延べとは?
① 不動産所得が65万円以下の場合
事業的規模のある大家さんで確定申告を電子申告する場合は、青色申告特別控除として65万円の控除が受けられます。
もし、所得が65万円以下なら、申告書に記載される不動産所得は0円です。経費を65万円計上して所得を0円にしても、65万円の経費を計上しなくても結果は同じで不動産所得0円なります。であれば、65万円の経費は来年以降に繰り延べた方が有利ですよね。
② 不動産所得の赤字より土地負債利子の金額の方が大きい場合
不動産所得が赤字の場合、給与所得などと相殺して損益通算できます。
ただ、以前にお話しましたが、土地の借入金の利子の方が赤字より大きい場合は、損益通算できなくなってしまいます。この場合も申告書に記載される不動産所得は0円になります。であれば、赤字になる分の経費は来年以降に繰り延べた方が有利ですよね。
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主な経費の繰り延べ方法
①未払い分を実際に払った年まで先延ばしにする
固定資産税や不動産取得税の未払分を今年の経費には計上しないで、実際に支払った年まで先延ばしにする。固定資産税など行政側が税額を決定する税金( 賦課課税 )の場合は、次のいずれかで計上することが可能です。
ⅰ 賦課課税通知を受けた時にその全額を必要経費に算入する
ⅱ 分割された納期が開始した時にその納期に係る全額を必要経費に算入する(第1期の納期の開始の日)
ⅲ 実際に納付した時に納付した金額を必要経費に算入する
② 資産計上できるものは資産計上する
30万円未満の固定資産は、全額を一括で経費にできるという特例があります。
この特例をあえて使わず、原則どおり固定資産に計上して減価償却します。
減価償却にすれば、耐用年数にわたって毎年少しずつ経費にしていくことになりますので、
翌年以降に経費を先延ばしすることができます。
また、20万円未満の固定資産は、一括償却資産として3年間で償却する方法もあります。
まとめ
② 経費に関しても長期的な視点から考えてみましょう