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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第335回】
保険×不動産マイスター津曲(つまがり)が贈る    知ってトクする大家さんの相続問題 その①

~知ってトクする大家さんの相続問題~ 

新型コロナウィルスに罹患し犠牲になられた方々、
ロシアウクライナ戦争の犠牲
になられた方々への衷心廻向と鎮静化を祈り、
また、罹患され、被災され苦しん
でいらっしゃる方々、の一日も早い回復、
そして何より医療現場で昼夜を分かた
ず自らも命懸けで対応してくださっている多くの方々に
感謝と息災安穏を心よりお祈り申し上げます

今月号は、保険×不動産マイスター
津曲(つまがり) 巖(いわお)より、お届けさせていただきます。

今月は、最近多くの大家さんよりご相談をいただいている
「相続問題」について事例も交えながら、解説してまいります。

 

●「相続」とは・・・

「相続」とは、避けて通れないものです。それゆえにまだまだ先のこと、
自分の亡きあとは子供たちがうまくやってくれる、
などと「相続」を考えることをあと回しにしていませんか。
「相続」はある日突然起こる、と心得て日頃から準備しておくことは
自身の心の安寧とご家族の安心へ直結します。
特に、大家さんは、「不動産」という分けることが
そもそも難しい資産をまもり、運用し、
次代に繋いでいくという特別な「使命」をお持ちです。
普段からいかに準備していくか。何に重きを置いて準備したらよいのか。
一緒にみていきたいと思います。

●「相続」対策は【民法】と【税法】対策と知るべし

「相続対策」というと資産をお持ちの方ほど、
いかに相続税を低くするかという
「税金対策」を真っ先に考えてしまいがちですが、
相続問題解決には最も危険な考えと言えます。
税金を低く抑えることができたが多額の借金を残すことになり、
返済で行き詰まってしまった事例や、税金はかからなかったが、
相続人間の分け方でトラブルになり調停や裁判になった事例は数多あります。
特に近年、相続において「家長制度」の名残のある世代から
「男女平等」「権利の主張」を個々人が発する世代に移ってきて
「分割」に関する争い防止がまず最初の対策あると心得て相続対策は
考えることが必須です。

相続に関して民法では相続人になれる人(法定相続人)が厳格に定められています。
また、あわせて相続できる割合(法定相続分もしくは遺留分(法定相続分の2分の1)
も決まっています。
対策の第一歩は、もちろん「財産の棚卸し」です。
大きく分けて次の5つのカテゴリーにまとめてみましょう。

1.不動産(自宅、賃貸物件、未利用地等)、
2.現預金(株式、投資信託等含む)、
3.保険、
4.その他の財産(貴金属、書画、骨董等)
5.借金等(負債)
次に、
「法定相続人」を一覧表にします。
そのうえで
1.だれに
2.なにを
3.どれだけ
遺すかを考えます。
この段階では、ご自身の想い、考えで結構です。
漠然とした「相続」というものが「ヒト」「モノ」を「見える化」することによって
「カネ(税金)」も輪郭が見えてきます。
そのうえで、民法上実行可能な遺し方であれば、
税法上少しでも相続税が低くなるよう
検討を加えていくという「順序」を違えないことが
争いのない円満な相続にはとても重要です。
相続対策の最大のポイントは、法的に争いのない状態で税法上有利な状態を
作り出すという「順序」であることを心において進めてまいりましょう。

 

ABOUT ME
津曲巖
大手不動産会社にて相続・資産形成コンサルティング営業、管理職を歴任。都内を中心に数多くの土地有効活用、相続対策、資産の組み換え、買い換え等のコンサルティングを手掛ける。 ヘッドハンティングにより外資系金融機関に転身、不動産・保険を中心にFPコンサルタントとして 活躍。2002年独立系FP事務所設立。 不動産・金融機関での経験を活かし、上場企業、官公庁等での社員研修、マネー・ライフプランセミナー講師として、また、後進の育成にと全国で活躍中。 TVのCMでも有名なスーモカウンターや日本FP協会等でのFP相談ほか、企業の財務・営業コンサルティングも精力的に行っている。
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