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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第320回】不動産鑑定士・住宅診断士
皆川 聡が斬る!②

マンション管理会社に丸投げ要注意です

皆様こんにちは。

不動産鑑定士・住宅診断士の皆川聡です。

今回は、「マンション管理会社に丸投げ要注意です」という
テーマでお届けいたします。

そもそもマンション管理業務は、
現金出納や収支、維持管理、清掃、点検、検査等多岐に亘ります。
ですので、マンション住民の皆さんは、常日頃の生活のこともあり、
また、意思決定プロセスが大変なことから、
定期総会等には消極的な態度で参加される方が多いかと思われます。

特にマンション管理の中で、
一番重要な部分は、雨漏りや大規模修繕の部分です。

先日の物件の依頼者の方へ
「ここは雨漏りしていますよ。
鑑定評価とは別に、軽く私の方で劣化状況に係るレポートを作成しますので、
管理組合・管理会社へ見せて下さいね。」
とお伝えしました。
その依頼者の方が、その劣化状況のレポートを持参して、
マンションの定期総会で発言したところ、
そのマンション管理会社の担当者からの返答が、
「このマンションは全戸へのアンケートを既に行っており、
問題があったとしても、それらはほぼ結露ということで認識をしておりますので、
あなたの部屋のみ雨漏りということは認められません。
ですので自費で修理して下さい。」
と、突っぱねられたとのことでした!

驚きでした。
酷い劣化状況が一目瞭然の写真付きレポートを見ていながらその対応だとすれば、
看過しがたいものがあります。見ていなければ論外です。

そもそもその原因は、対象がルーフバルコニー付きのマンションで、
雨漏りとみられる問題部分と反対側の外側から確認すると、
上層階のルーフバルコニー部分の化粧上の問題
(雨水が滞留する形状になっている箇所)や笠木やタイル目地、
プライマーの劣化等が異常に傷んでおり、
エフロレッセンスなど異常な状態で生じており、
明らかに雨水が建物内部に浸入する経路が写真にて確認できるのです。

このような共用部である外壁目地等の劣化に帰属するにも拘わらず、
マンション管理会社は、全戸へのアンケートではほぼ結露だから、
「自費で賄え」とはひどい話です。

後日、そのマンション管理会社の担当者から私の下へ電話がきて、
その担当者から
「アンケートでは・・・、」
と言う話からまた相変わらず始まったので、私は、
「そうではなく、建物の劣化状況はそもそも場所により、
全く異なりますが、そのことを分かっていますか?」
と尋ねました。
また、
「劣化状況の酷い私が作成したレポートを確認しましたか?」
さらに、
「その雨漏りが問題となっている階は5階なので、
その雨漏りの水は結局どこへ行きますか?」
と質問しました。

最終的にはこちらの要望に応じてくれることに落ち着きましたが、
そもそもマンションの管理会社の担当者も住宅診断等の知識の全てを
具備しているわけではなく、
また、住民等からのクレーム処理ばかりしているため、
できる限り仕事にしないようにすることがベターだという
管理会社の中での風潮も強いため、
結局、管理組合や住民に対し、
本質から大きくずれた提案をすることも多くなってしまうのかもしれません。

ですから大規模修繕のときは更に中身をしっかり確認することが必要になります。

このようなことからも、
マンション管理会社への丸投げは要注意ですので、どうぞご留意下さい。

今回は、不動産投資とはちょっと違う観点ですが、
見方に因れば、共通点もあるかと思い、記載させていただきました。

この度も最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

ABOUT ME
皆川聡
株式会社Aoi不動産鑑定 大手不動産鑑定会社に約8年従事し、メガバンク、政府系金融機関、地銀、信用金庫、信用組合などの金融機関の担保評価をメインに約2500件の案件を携わり、国際線ターミナルの評価の実績もあり。 退職後、平成27年4月に開業。 開業後は、税務対策の鑑定評価や裁判調停等の鑑定評価での多数実績。住宅診断を反映した鑑定評価にて、より清緻な鑑定評価を行っており、鑑定評価額だけではなく、皆様の建物の日ごろのメンテナンスのポイントなどもご提案し、ご好評をいただいております。また2020年10月には、相続税の還付請求にて、他の不動産鑑定士が国税不服審判所にて否認された案件を、その後当職が不動産鑑定を担当。圧倒的な不動産鑑定評価により、東京地裁において、国税庁との裁判で無事完全勝訴しております。
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