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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第344回】不動産鑑定士・住宅診断士
皆川 聡が斬る!③

建物の傾きについて

皆様こんにちは、不動産鑑定士・住宅診断士の皆川です。

前回は、住宅診断の重要性について記載させていただきました。
今回は住宅診断の項目の中のうち、
建物の傾きの発見のポイントを説明させていただきます。

建物の傾きは、建物にずれを生じさせ、
そのような建物は新築でも雨漏りを起こしてしまったりしています。

雨漏りは我慢すれば良い、
雨漏りを受けるバケツを用意すればいいんじゃない!

いろいろなバケツを用意して、いろいろな音を楽しむことができるよ!
と思う人もいるかもしれません。昔のドリフじゃないですけれども!

しかし、建物にとって、水は大敵です。
単なる湿気から、木造であれば、腐朽菌の原因になったり、
シロアリが好む環境が作られ、
柱を駆逐したり、カビ・ダニの原因になり、
健康を害することにも繋がります。
また、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合には、
発錆の原因になったり、錆が原因で溶接が切れたり、
鉄筋の場合には、爆裂の恐れがありますので、
どちらにしましても耐震性に疑義が生じる可能性が高くなります。

ところで、皆様のお身体の健康寿命を伸ばすために行っていることとして、
健康診断がありますね。
また、その健康診断の検査方法の一つに血液検査があります。
その血液検査により、いろいろな原因が分かりますので、
血液検査はとても優れた検査方法だと思います。

住宅診断についても建物を長寿命化させる、
その調査の簡単な発見方法があります。

それは、建具(ドア、サッシなど)の開閉です。
皆様、投資物件をご購入されるとき、建具の開け閉めをされると思います。
この行為にもうちょっとプラスすることにより、
建物の傾きが、手っ取り早く簡単に確認できる方法となります。

それは、サッシであれば、完全に反対まで動かし、
反対側でのサッシ枠との間に隙間が平行でない場合、
建物が傾いている可能性があります。

この空いている状態を確認することにより、地盤による可能性もありますが、
大工さんの仕事ぶりの良否の可能性も考えられます。

ですので、サッシの開閉は、ただ単に完全に開くか、
滑らかに動くかということのみを見ている訳ではないのですす。

しかし、それでもって100%建物が傾いていると断言はできません。
使用頻度等により、建具や戸車自体に劣化が生じて、
隙間が空いてしまうこともあります。

ですが、いずれにしても、意外にもこのようなことで、
手っ取り早く建物の傾きを調べることができる方法がありますので、
ご活用されるとよいかもしれません。

今回は、建物の傾き発見のポイントのうち、
建具(ドア、サッシ)の開閉についてお伝えさせていただきました。

皆様の不動産投資の一助になりましたら、幸いです。
今回も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。

以上

ABOUT ME
皆川聡
株式会社Aoi不動産鑑定 大手不動産鑑定会社に約8年従事し、メガバンク、政府系金融機関、地銀、信用金庫、信用組合などの金融機関の担保評価をメインに約2500件の案件を携わり、国際線ターミナルの評価の実績もあり。 退職後、平成27年4月に開業。 開業後は、税務対策の鑑定評価や裁判調停等の鑑定評価での多数実績。住宅診断を反映した鑑定評価にて、より清緻な鑑定評価を行っており、鑑定評価額だけではなく、皆様の建物の日ごろのメンテナンスのポイントなどもご提案し、ご好評をいただいております。また2020年10月には、相続税の還付請求にて、他の不動産鑑定士が国税不服審判所にて否認された案件を、その後当職が不動産鑑定を担当。圧倒的な不動産鑑定評価により、東京地裁において、国税庁との裁判で無事完全勝訴しております。
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