渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第240回
相続税の基礎から応用までわかりやすくQ&A方式で解説していきます。
Q生産緑地を所有し、
相続税の納税猶予の適用を受けています。
高齢になってきて自分で耕作を続けることが難しいと感じています。
農地を他人に貸すと納税猶予が打ち切られてしまうのでしょうか?
A
1.従来の農地法の問題点と新制度による解消
従来、生産緑地を第三者に貸し付けると、
相続税の納税猶予が打ち切られ、
猶予されていた相続税と利子税を納付しなければなりませんでした。
また、農地法の「法定更新制度」により、
一度農地を貸すと、貸し手が契約を更新しない旨の通知をしない限り、
同じ条件で自動的に契約が更新されてしまい、
「一度貸したら返してもらえない」という不安から、
農地を貸すことをためらう所有者が多くいました。
しかし、平成30年9月に
「都市農地の貸借の円滑化に関する法律(都市農地貸借法)」が施行され、
生産緑地を貸しても納税猶予が継続する仕組みができたのです。
また、都市農地を対象に、
賃貸しても法定更新が適用されない制度になったため、
農地を貸しやすくなっています。
2.納税猶予が継続する貸付けの種類
以下の2種類の貸付けが相続税納税猶予継続の対象となります。
(1)認定都市農地貸付け
市区町村長の認定を受けた事業計画に基づき、
農業者や農業法人などが自ら耕作するために借りる場合の貸付けです。
借り手は、個人農業者・農業法人・農地中間管理機構・JA等です。
(2)農園用地貸付け
市民農園の用に供するための貸付けです。
市民農園を開設するためには、
従来は、地方公共団体・農地利用集積円滑化団体・農地中間管理機構の
介在が必要とっていましたが、
直接、農地所有者から都市農地を借りることが
できるようになっていることが特徴です。
市区町村との協定は必要となりますが、
農地を所有していない者へ貸すことができます。
なお、いずれの場合も納税猶予の特例を受けるには
税務署への届出が必要です。
3.貸付期間終了時の手続き
貸付期間が終了した場合や、事業計画の認定が取り消された場合は、
原則として2ヶ月以内に以下のいずれかの対応が必要です。
・新たな認定都市農地貸付け又は農園用地貸付けを行う
・自ら農業の用に供する(自分で耕作を再開する)
2ヶ月以内に対応できない見込みの場合は、
税務署長への承認申請を行い、
承認を受けた上で1年以内に上記のいずれかを行う必要があります。
所定の期間内に手続きを行わないと、
相続税の納税猶予が打ち切られますので注意が必要です。
4.まとめ
都市農地貸借法により、
生産緑地を安心して貸し出せる環境が整いました。
契約期間終了後に確実に農地が戻ってくること、
相続税の納税猶予が継続すること、
さらに相続発生後も次の世代が納税猶予を
受けられることが大きなメリットです。
高齢化や後継者不足で農地の維持管理にお困りの方は、
この制度の活用をご検討ください。
ただし、貸付期間終了時の手続きや
地方都市特有のルールなど細かな注意点もありますので、
実際の貸付けにあたっては税理士等の
専門家にご相談いただくことをお勧めします。
《お知らせ》
1.Knees beeオンライン無料セミナー
『令和8年税制改正が大家さんに与える影響』
『確定申告直前対策と修繕費計上テクニック』
についてお話します。
日時:1月27日(月)(火)19:00~20:30
費用:無料
申し込み:
https://forms.gle/qCcCW7HF5roBbHvYA
質疑応答の時間もあります。是非ご参加ください。
2.税制改正と確定申告のオンライン無料セミナー
『大家さん専門税理士が語る!
2026年税制改正のポイントと確定申告直前対策』
日時:1月31日(土)10:00~12:00
費用:無料(ビズアナオーナー会員の登録(無料)が必要です。)
申し込み:
https://www.o.biz-ana.com/seminar/seminar20260131/
(主催:株式会社CBIT)
3.品川で大規模修繕の税金とコスト徹底解説セミナー
アローペイントさんと共催で、大家さん専門税理士の渡邊が
『大家さん専門税理士が語る!資金繰りを改善する大規模修繕の経費戦略』という
テーマで話をします。
日時:2月1日(日)14:00~16:00
場所:TKP品川カンファレンスセンター カンファレンスルーム6A
東京都港区高輪3-25-23 京急第2ビル 6階(品川駅より徒歩3分)
費用:無料
詳細・お申し込みはコチラ
https://arrow-paint.co.jp/seminar/2026-02-01.html



