東京の中心で税務を叫ぶ 第86回コラム
そもそも賃貸物件の減価償却はいつからできる?
そもそも賃貸物件の減価償却はいつからできる?
お話しします。
こんにちは!
今回は、賃貸物件の減価償却がいつから開始できるのかについてお話します。
減価償却費の計算は、
建物の購入金額を法律で定められた使用可能年数(法定耐用年数)で割って、
毎年少しずつ経費にしていきます。
では、購入した日から償却してよいのでしょうか?
実は、減価償却は、償却する資産を事業の用に供したとき(使用を開始したとき)から、
減価償却費として計上できることになっています。
国税庁のHPでは、「事業の用に供した日とは、
資産を物理的に使用し始めた日のみをいうのではなく、
例えば、賃貸マンションの場合には、建物が完成し、
現実の入居がなかった場合でも、入居募集を始めていれば、
事業の用に供したものと考えられます。」と言っています。
つまり、入居募集を開始した日から償却することができるということです。
(オーナーチェンジで購入した場合は、
購入日の時点で使用していることになりますので、
購入日から償却できます。)
もし購入してリフォームしてから貸し出す場合、リフォーム工事が完成し、
かつ、募集を開始した日が事業開始日になります。
たとえば、2023年に取得してリフォーム工事をして、
1年後の2024年に募集開始した場合は、2023年は減価償却費を計上できず、
2024年から償却することになります。
では、2022年に取得して事業開始していたけれど、
2022年は確定申告書に減価償却費を計上していなかった場合はどうなるでしょう?
個人の減価償却は強制償却です。
事業を開始していたなら必ず減価償却費を計上することになっています。
したがって、2022年の申告書は、
経費の計上漏れをして、税金を過大に納付していたことになりますので、
税金の還付請求(更正の請求)することになります。
もし、還付請求しなかった場合でも、
2022年に減価償却費を計上したものとして、
未償却残高を計算したうえで、
2023年以降の申告書を作成することになります。
まとめ
①賃貸物件の減価償却は、入居募集の開始日から償却できます。
②個人の減価償却は強制償却なので、
事業開始したら必ず償却費の計上が必要です。
大野税理士の他のブログはこちらから
楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。