東京の中心で税務を叫ぶ 第122回コラム
大規模修繕すると固定資産税評価額は上がる?
大規模修繕すると固定資産税評価額は上がる?
についてお話します。
こんにちは!
今回は、大規模修繕すると、
建物の固定資産税評価額が上がるかについてお話します。
結論として、大規模修繕しても固定資産税評価額は、
上がらない可能性があります。
まず、建物の固定資産税評価額の計算方法をご説明します。
「①再建築費評点数×②減点補正率×③評点1点あたりの価額=固定資産税評価額」
①再建築費評点数は、屋根、基礎、外壁などの部分別に定められた評点数に、
それぞれの面積をかけて計算します。
評点は、材料、仕上げ度合い、
設備などのグレードによって点数が付けられています。
②減点補正率は、年数の経過に応じて通常生ずる減価を考慮する
「経年減点補正率」などがあります。
③評点1点当たりの価額は、1円に「物価水準による補正率」
(木造家屋であれば、市町村によって1、0.95、0.9のいずれか)などを乗じて求めます。
ややこしい計算式ですが、簡単に言うと、
評点数に面積をかけて計算する、という考え方になります。
したがって、建物の固定資産税評価額が上がるのは、
面積が増加する場合が該当します。
具体的には、改築または増築した場合です。
増築とは、家屋の床面積又は体積が増加することをいい、
大規模な附帯設備の更新又は除去等は、
当該家屋の一部として家屋に含めて評価するものに限られる。
つまり、物理的に増加しているかどうかで判断されます。
改築とは、家屋の壁、柱、床、はり、屋根、天井、
基礎又は附属設備等について行われた更新で、
その更新のための支出が、建物の維持・管理のために日常的に行われる簡単な修理、
修繕等のために支出される程度のものではなく、資本的支出と認められるもの。
つまり、修繕費ではなく、資本的支出(資産計上する)に該当するかで判断されます。
したがって、改築や増築に該当しなければ、固定資産税評価額は上がらないことになります。
まとめ
①大規模修繕したからと言って、必ず固定資産税評価額が上がるわけではありません。
②増築、改築した場合は、評価額が上がる可能性があります。
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