東京の中心で税務を叫ぶ 第123回コラム
大規模修繕すると固定資産税評価額は上がる?
大規模修繕すると相続税は上がる?
についてお話します。
こんにちは!
今回は大規模修繕すると相続税は上がるかについてお話します。
通常、建物の相続税の評価額は、固定資産税評価額を使用します。
前回のコラムでお話した通り、大規模修繕をして固定資産税評価額が上がるのは、
改築や増築をした場合です。
では、相続直前に改築や増築を行い、
それがまだ固定資産税評価額に反映されていなかった場合はどうでしょう?
その時点の固定資産税評価額をそのまま使用すると、
相続税の評価額が本来の価額より低いことになってしまいます。
そこで、その時点の固定資産税評価額に、
いくらか大規模修繕分の金額を加算した金額を使用します。
ただ、実際の修繕代金を加算するのではなく、
下記の算式で計算します。
「増改築等に係る部分以外の部分に対応する固定資産税評価額
+(増改築等に係る部分の再建築価額-課税時期までの間における償却費相当額)×70%」
このように、相続直前の大規模修繕の場合は、
その時点の固定資産税評価額でそのまま評価するのではなく、
上記の計算式で評価することになるため、
固定資産税評価額よりは上がる可能性があります。
ただし、大規模修繕により手元の現金が、不動産に変わることになります。
通常は、現金よりも不動産の方が、
相続税評価額が低くなるので、評価の高いものから低いものへ変換できたことになります。
したがって、相続財産全体で考えた場合には、
現金のまま持っているよりは、相続税が下がる可能性があります。
まとめ
①相続直前に大規模修繕すると、固定資産税評価額より、評価額が高くなる可能性があります。
②ただ、現金のまま持っているよりは、大規模修繕した方が、相続税が下がる可能性があります。
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。