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サブリース法人の節税以外の活用法は?

東京の中心で税務を叫ぶ 第125回コラム

サブリース法人の節税以外の活用法は?

大家さん
大家さん

そもそもサブリース法人の節税以外の活用法は?

大野
大野
今回はサブリース法人の節税以外の活用法は?
についてお話します。

こんにちは!
今回も、不動産オーナーが設立するサブリース法人についてご説明します。
前回、サブリース法人を設立すると、
個人の所得税を節税できるというお話をしました。
今回は、節税以外のサブリース法人の活用方法をご紹介します。

①国民健康保険の保険料負担が重いケース
会社勤務をしていない専業大家さんは、
国民健康保険に加入しているはずです。
国民健康保険は、前年の所得をベースに計算されるため、
所得の高い方は、保険料も高くなります。

この保険料負担を抑えるために、サブリース法人を設立し、
給与を支給する方法があります。
給与を支給すると、サブリース法人は社会保険に加入することができます。

この場合、個人が負担する保険料は、毎月の給与をベースに計算されるため、
給与を低くすれば、保険料負担も低く抑えられます。
また、年金は、国民年金ではなく、厚生年金に加入できます。

②認知症対策
認知症になり、意思能力がないと判断されると、
あらゆる契約ができなくなります。
賃貸借契約や更新契約の締結、家賃交渉、リフォーム契約、
売買契約、などの行為には、意思能力が必要です。
意思能力が不十分と判断されると、契約は無効となります。

サブリースの場合は、法人と入居者との間で賃貸借契約を結びます。
また、外部の管理会社に管理を委託する場合は、
通常は、法人が契約します。
もし、不動産の所有者が認知症になったとしても、
相続人が法人の代表者になっていれば、
法人としての契約などを行うことは可能です。

入居者との賃貸借契約、更新契約、家賃交渉や、
管理会社との契約などは、法人としての契約行為と考えられますので、
引き続き賃貸経営を継続することが可能となります。

③空室により賃貸物件の相続税評価が上がるのを防ぐ
賃貸用不動産については、相続税評価額は下記の算式によって計算されます。

建物(貸家)の相続税評価額=自用家屋評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)

土地(貸家建付地)の相続税評価額
=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

この式の中で、注目していただきたいのは「賃貸割合」です。
この賃貸割合が100%である場合には、貸家は自用家屋評価額の70%、
貸家建付地は自用地評価額の73%~91%にまで評価が圧縮されることになり、
相続税を下げる効果を生みます。

もし空室が発生していた場合には、
その分だけ賃貸割合が減少してしまうため、
相続税評価額は大きくなってしまいます。

そのための対策としてサブリース法人を設立して、
その法人に転貸しておけば、
その賃貸用不動産は常に法人によって100%賃貸されている状態になり、
空室が発生しないことになります。

ただし、相続直前に実施すると租税回避行為とみなされる可能性があるので、
ご注意ください。

まとめ

①物件を所有しない法人化が、サブリース法人です。

②サブリース法人は所得税の節税以外の活用方法もあります。

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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