東京の中心で税務を叫ぶ 第131回コラム
譲渡税を減らす意外な方法とは?
譲渡税を減らす意外な方法とは?
についてお話します。
こんにちは!
今回は、不動産の売却益にかかる譲渡税の節税方法のうち、
意外と知らない3つの方法をご紹介します。
①取得費を増やす
不動産の売却益(譲渡所得)は、次のように計算します。
譲渡所得=譲渡収入-( 取得費+譲渡費用 )
このため、取得費を大きくすれば、売却益を小さくできます。
取得費は物件の本体価格や購入時の手数料などですが、
このうち建物の減価償却した分は取得費に含まれません。
減価償却費は不動産所得の必要経費に計上済みのためです。
減価償却していない未償却部分(建物は簿価)のみ、
取得費にできます。
つまり、売却益を圧縮するためには、
この未償却部分をできるだけ大きくするという考え方があります。
年の途中で売却し、12月31日まで保有していないものについては、
その年は、減価償却してもしなくてもどちらでもよいことになっています。
つまり、その年分の減価償却費を計上しなければ、その分、取得費を大きくできます。
ただし、減価償却すれば、不動産所得の経費に計上できるため、
減価償却せずに譲渡所得の取得費を増やすか、
減価償却して不動産所得の経費を増やすか、
譲渡税の税率と総合課税の税率を比べて、
どちらの経費を増やした方が有利になるか検討した上で選ぶとよいでしょう。
②他の物件の売却損と相殺する
分離課税である譲渡所得は、
給与所得や不動産所得など他の所得との損益通算は認められていないため、
売却損が出ても通常は切り捨てられてしまいます。
しかし、不動産の譲渡所得内での、内部通算(相殺)は認められています。
つまり、不動産の売却益がでるものと、
売却損がでるものを相殺することが可能ということです。
たとえば、売却益が発生する年に、
含み損を抱えている別の物件をあえて売却することにより
売却損を発生させれば、売却益を圧縮でき、税金をおさえることができます。
③法人で売買する
法人を設立して、法人で不動産を購入後に売却した場合、
個人とちがい、分離課税にはなりません。
法人は、すべての収入と経費を合算して計算するので、
売却の利益を賃貸経営の赤字や、
ほかの事業の経費などと合算して計算されることになり、
売却益を削減できる可能性があります。
まとめ
①売却した年は、減価償却するかしないか選択できる
②売却益と売却損は相殺できる
③法人は、すべての収入と経費を相殺できる
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。