東京の中心で税務を叫ぶ 第152回コラム
物件売却すると基礎控除が無くなるってほんと?
大家さん
物件売却すると基礎控除が無くなるってほんと?
大野
物件売却すると基礎控除が無くなるってほんと?についてお話します。
こんにちは!
前回、2025年度税制改正で、
基礎控除が48万円から58万円に
引き上げられるとお話しました。
ただ、実は基礎控除は誰でも
受けられるわけではありません。
現行では合計所得金額が
2,400万円を超えると徐々に減っていき、
2,500万円を超えると基礎控除はゼロとなります。
今回の改正で基礎控除が58万円になりますが、
58万円満額適用されるのは、
合計所得金額が2,350万円以下となりました。
つまり、今まで基礎控除を満額受けられていた
2,350万円〜2,400万円の人は、
現状の48万円のままとなり、
減税の恩恵を受けられません。
減税した分を高所得者から取り戻そうとしているように感じます。
2,500万円も所得が無いから自分には関係ないと
思われる方もいると思いますが、
大家さんの場合は、不動産を売却した年に
影響を受ける可能性があります。
なぜなら、基礎控除の判定で使用する合計所得金額には、
不動産売却時の譲渡所得も含まれるからです。
不動産所得が少なくても、譲渡所得が多ければ、
基礎控除の上限にひっかかるかもしれません。
譲渡所得の計算は、売却代金から、
購入時の価額(建物は減価償却後の価額)と
仲介手数料などの経費を差し引いて計算します。
譲渡所得の計算上は、残債を差し引くことはできませんので、
もし、残債があるから売却しても
利益は出ないだろうと考えている方がいましたら、
ご注意ください。
まとめ
①基礎控除は合計所得が2,500万円を超えると無くなります。
②合計所得金額には、物件売却時の譲渡所得も含まれます。
大野税理士の他のブログはこちらから
楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。
ABOUT ME