東京の中心で税務を叫ぶ 第190回コラム
法人化で経費にできる項目って?
法人化で経費にできる項目5選②
について、お話しします!
こんにちは!
個人の大家さんでは経費にできなかったり、
控除額に上限があったりする費用が、
法人化することで会社の経費(損金)として認められ、
大きな節税効果を生む可能性があります。代表的な5つのうち残り2つをご紹介します。
4. 退職金制度の活用
法人化の最大のメリットの一つが、
役員への退職金制度です。
退職金規程を整備することで、
役員が引退する際に退職金を支払うことができます。
会社側:支払った退職金は、全額が会社の経費(損金)となります。
個人側:退職金を受け取った個人は、
退職所得となります。
退職所得は、
長年の勤労に報いるという趣旨から、
税制上の優遇措置が非常に手厚いのが特徴です。
退職金から控除できる退職所得控除額は、
勤続年数に応じて計算されるため控除額が非常に大きく、
課税される所得を大幅に減らすことができます。
また、控除後の所得に対し、
さらに1/2をかけた金額が課税対象となります。
(ただし、勤続年数が5年以下の役員等が受け取る退職金については、
1/2にする特例が適用されません。)
この優遇措置により、
通常の給与や賞与として受け取るよりも、
遥かに低い税負担で大きな金額を個人に移すことが可能です。
なお、役員退職金が法人の損金として認められるのは、
その金額が「不相当に高額」ではない適正な
範囲内である場合です。
その「適正な範囲」は税法では明記されていませんが、
実務上、最も広く用いられているのが功績倍率法という計算方法で、
以下の計算式です。
退職時役員報酬月額×役員在任年数×功績倍率
(社長の上限目安は2〜3倍程度)
役員退職金規程に支給基準などを明確に定めておきましょう。
5. 中小企業倒産防止共済(セーフティ共済)の活用
セーフティ共済は、
取引先の倒産時に連鎖倒産を防ぐための共済制度です。
個人事業主でも加入はできますが、
掛金が経費になるのは事業所得がある場合です。
不動産所得のみの大家さんは掛金を経費に計上できません。
一方、法人であれば、この共済に加入し、
毎月の掛金(上限月20万円、年240万円)を全額、
会社の経費(損金)に計上することが可能です。
これにより、たとえば将来の大規模修繕ための資金を積み立てながら
、現時点の利益を大きく圧縮できます。
ただし、解約時に受け取る解約手当金は、法人の収入(益金)となるため、
保険金同様、課税の繰延べ(税金の支払い時期の先送り)となります。
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。





