東京の中心で税務を叫ぶ 第225回コラム
合同会社は配当金を自由にコントロールできるってほんと?
合同会社は配当金を自由にコントロールできるってほんと?
についてお話しします!
こんにちは!
前回まで合同会社の話を続けてきましたが、
今日はもう一つ、
大家さんに知っておいてほしい落とし穴のお話です。
「合同会社なら、
出資割合と関係なく自由に配当できるので、
子供に多く配当を出せば相続対策になりますよ」
——ネットや書籍で、こんな情報を見かけたことはないでしょうか?
たしかに会社法上はそのとおりなんです。
ところが税金の世界では、
まったく別の話になります。この違いを知らずに実行してしまうと、
思わぬ贈与税がかかってくる、というのが今回のテーマです。
合同会社は、たしかに「自由な配当」ができる
まず、事実の確認から。
株式会社には「株主平等の原則」というルールがあります。
株を持っている割合に応じてしか配当を出せません。
100株持っている人と10株持っている人では、
配当は10倍の差がつく、という考え方ですね。
ところが合同会社は、この縛りがありません。
定款(会社の基本ルール)で自由に決められるので、
たとえば「出資1割の人に配当9割」という設計も、
会社法上はできてしまうんです。
「じゃあ、子供に多めに配当を出せば、
財産をどんどん子供に移せる!」
——そう考えたくなりますよね。
ここに大きな落とし穴があります。
税務署が持っている「みなし贈与」という武器
税金の世界には「みなし贈与」という怖い仕組みがあります。
これは、契約書に「贈与します」と書かれていなくても、
経済的な利益が対価なしで動いていれば、
税務署が「実質的に贈与があった」とみなして
贈与税をかけてくるというものです。
相続税法9条という条文が根拠になっています。
考えてみると当然ですよね? そうでないと、
契約書の名目を工夫するだけで、
いくらでも贈与税を逃れられてしまいます。
税務署は、あくまで実質で判断するんです。
Aさん一家の場合
具体例で見てみましょう。
大家のAさん(父)と息子のBさんが、
合同会社を立ち上げました。
・Aさん(父):出資 900万円(90%)
・Bさん(息子):出資 100万円(10%)
ある年、会社の利益が1,000万円出ました。
ここでAさんは、
「相続対策のため、Bさんに多めに配当を出そう」と考え、
定款を工夫してBさんに900万円、Aさんに100万円を配当することにしました。
一見、うまくいったように見えます。
ところが税務署はこう見るんです。
「出資割合ベースなら、
Bさんの取り分は100万円のはず。
実際に900万円もらっているということは、
差額の800万円は、Aさんからの贈与にあたる」
結果、Bさんには800万円に対して
贈与税がかかってきます。
相続対策のつもりが、しっかり課税されてしまう、というわけです。
「うまい話」には裏がある
なぜこうなるかというと、
税法は「名目ではなく実質で判断する」という
考え方が根本にあるからです。
会社法のルールをどう使おうが、
実際にお金が動いて財産が誰かに移転していれば、
税務署はその実質を捉えます。
「会社法上OKだから贈与税もかからない」
というのは、通用しないんです。
1. 合同会社は、
会社法上は出資割合と関係なく自由に配当できる
2.ただし、出資割合を無視した配当は税務署から
「みなし贈与」とみなされ、
贈与税が発生する可能性がある
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。





