東京の中心で税務を叫ぶ 第62回コラム
そもそも物件購入時の諸費用って何?
こんにちは!
今年もいよいよ確定申告の時期になりました。
令和3年分の所得税の確定申告は、通常どおり3月15日が申告、納付期限となります。
ただ、コロナの影響により、やむを得ない理由がある場合は、申告、納付期限を延長することができます。
申請方法は、「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」という文言を申告書の余白などに記入します。
さて、今回は物件購入時に発生する諸費用についてお話したいと思います。
確定申告する際も、この費用はどう処理すればいいの?と迷われる方は多いと思います。
実はこの諸費用は、すべて必要経費として収入から差し引けるわけではありません。資産として処理しなければならないものがあります。
たとえば、建物として資産計上したものは、減価償却を通じて毎年少しずつ経費にされていきます。
この諸費用のうち主なものをご紹介します。
〇物件購入時に資産計上すべきもの
仲介手数料
購入した物件の取得価額には、購入手数料など、その資産の購入のためにかかった費用も含まれます。
不動産を購入するにあたり、不動産会社に支払う仲介手数料は、購入手数料に該当しますので、一括で経費にはできず、資産として土地や建物の取得価額に含めることになります。
固定資産税の精算金
固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を保有している方に課税されるもので、年の途中で売却しても、納税義務者は変わりません。
そのため、不動産の引渡し時には、引渡日以降の固定資産税を買主から売主に支払うことで精算します。
この精算金は、固定資産税そのものの納付ではなく、売主と買主の間での慣習として行っているものに過ぎません。
ですから、税務上は、固定資産税の精算金は、売買代金の一部として取り扱うことになっており、土地・建物の取得価額に含めます。
購入後のリフォーム費用
事業を開始する前に支出した費用は、物件を取得するためにかかった費用とみなされます。
したがって、内容が修繕費であったとしても、賃貸を開始する前に支出したものは、資産計上することになります。
たとえば、築古物件を購入して、全面リフォームして賃貸するような場合、クロスの張り替えなど、内容が修繕費に該当するものであったとしても、修繕費にはなりません。
資産計上することになります。
〇物件購入時に経費とすべきもの
収入印紙
不動産の売買契約書や建築の請負契約書には、記載された金額に応じた印紙税がかかります。そこに貼る収入印紙は、経費に計上します。
登記費用(登録免許税、司法書士報酬)
不動産を取得したときに、自分の名前に登記を変更するために、登記費用(登録免許税、司法書士報酬)がかかります。この費用は、必要経費に計上します。
不動産取得税
不動産を取得後、3ヵ月~6ヵ月後くらいに不動産取得税の課税通知書が届きます。この課税通知書が来たとき、または納付したときに必要経費に計上します。
個人事業主の場合には、登録免許税、不動産取得税は必要経費に計上することになります。しかし、法人が取得した場合の登録免許税、不動産取得税は必要経費に計上するか、資産に計上するかを選択することができます。
融資事務手数料
融資を受けるために金融機関に支払った事務手数料は必要経費に計上します。
まとめ
①物件購入時の諸費用は、資産にすべきものと経費にすべきものとに分かれる
②3月15日以降の確定申告は今年は目立ってしまうので、あまりおすすめできません。(コロナで大変だった方はもちろん延長してください)
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。