東京の中心で税務を叫ぶ 第64回コラム
そもそもインボイス登録って何?
そもそもインボイス登録って何?
今回は、インボイス登録するとどんな影響がでるのか、
賃貸経営に潜む隠れ課税売上ついてお話したいと思います。
こんにちは!
来年、令和5年10月からインボイス制度が始まります。
アパートの家賃しかない場合は消費税がかからないので、インボイス登録してもしなくても変わらないですよね?というお話をよく頂きます。
本当にそうでしょうか?
そこで今回は、インボイス登録するとどんな影響がでるのか、
賃貸経営に潜む隠れ課税売上ついてお話したいと思います。
まず、現在、免税事業者の方(消費税の申告義務がない人)が、インボイス登録すると、 強制的に課税事業者(消費税の申告義務がある人)になります。
ただ、店舗、事務所の家賃は、消費税の対象となりますが、住宅の家賃は消費税の対象とはなりません。
したがって、アパートの家賃だけであれば、消費税は発生せず、課税事業者でも免税事業者でも変わらないことになります。
ただし、ここで気をつけないといけないのが、賃貸経営に潜む「隠れ課税売上」です。
賃貸経営には、一見、消費税がかかるとは分からないけれど、実は消費税が発生する収入が存在します。
主なものとして下記があげられます。
・入居者が負担する原状回復工事代
・共益費とは別に入居者から受け取る電気、ガス、水道代
・物件売却時の建物の売却代金
特に大きな影響が出るのが、「物件売却時の建物の売却代金」です。
土地の売却代金は非課税ですが、建物は課税です。
たとえば、インボイス登録して課税事業者になった大家さんが、1,000万円で物件を売却し、そのうち建物代金が500万円だった場合、約45万円(500万円×10/110)を消費税として納めなければなりません。
売買契約書に消費税額の記載がなくても、500万円の中には消費税が含まれているとみなされてしまいます。
現在、免税事業者の大家さんで、店舗、事務所の家賃収入がない方は、あわててインボイス登録はされない方がよいと思います。
まとめ
①免税事業者の大家さんは、あわててインボイス登録しなくてもよい
②課税事業者になった場合は、隠れ課税売上に注意
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。