東京の中心で税務を叫ぶ 第69回コラム
そもそもインボイスで簡易課税って何?
そもそもインボイスで簡易課税って何?
今回は、インボイスで簡易課税についてお話したいと思います。
こんにちは!
前回、消費税の計算方法をお話しましたが、残念ながら大家さんにとっては納税額が大きくなってしまう仕組みになっているとお話しました。下記をご参照ください。
そこで大家さんの味方になってくれるのが「簡易課税」という制度です!
簡易課税は実際に支払った消費税がなかったとしても、
受け取った消費税に一定割合をかけた金額を控除することができる制度です。
簡易課税の消費税の計算式は次の通りです。
事業者が納める消費税=受け取った消費税 - 受け取った消費税 × みなし仕入率
(売上にかかる消費税) (売上にかかる消費税)
みなし仕入率は、以下のように業種によって率が異なります。
第1種事業(卸売業)90%
第2種事業(小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業))80%
第3種事業(製造業等、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く))70%
第4種事業(その他の事業)60%
第5種事業(サービス業等)50%
第6種事業(不動産業)40%
テナントや事務所の家賃収入は不動産業なので、第6種事業に該当します。
みなし仕入れ率は40%となります。
たとえば、受け取った消費税が30万円の場合、
支払った消費税がなかったとしても、
30万円×40%=12万円が控除できるため、
納める消費税は18万円に下げられます。
簡易課税の適用を受けるには、通常は、適用をうける年の前年までに
「簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。
ただ、免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に
インボイス登録する場合、登録日の属する課税期間中に
「簡易課税制度選択届出書」を提出すると、
その年から適用を受けることができる特例があります。
注意点として、基準期間(個人の場合はその年の2年前、法人の場合は2期前の年度)の
課税売上が5,000万円を超えているときは、
届出書を提出しても簡易課税は適用できませんので、ご注意ください。
また、簡易課税を選択すると消費税が還付になることはありません。
テナントビルや太陽光設備を購入する場合は、
通常の計算方法を選択すれば還付になる可能性があるので、
前年のうちに顧問税理士に相談した方がよいでしょう。
まとめ
①インボイス登録して課税事業者となる場合は、
簡易課税の利用をおすすめします。
②簡易課税を選択すると消費税の還付は受けられなくなります。
大野税理士の他のブログはこちらから
楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。