物件の収益性の判断基準
こんにちは。廣田裕司です。
賃貸業界ではこの時期 繁忙期と言われ、1年のうちでも入退去が多く、
何かと忙しい時期ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
さて本題に入ります。
物件の管理は、賃貸経営上 重要な業務です。
物件の管理を管理会社へ委託している大家さんは多いと思います。
そこで、今回は管理会社について書いていきます。
1.利回り(表面利回り)
物件の収益性を計る尺度の一つとして「(表面)利回り」があります。
利回りは、満室時に想定される年間の家賃を物件の価格で割った数値で、
〇〇パーセントと表現され、収益物件の販売用チラシなどにも記載されています。
たとえば、年間1千万円の家賃収入を見込める物件が1億円で販売されている場合は、
1千万円 ÷ 1億円 = 10% となります。
物件の収益性はある程度この利回りで判断できますが、もう少し仔細に考えてみましょう。
●物件価格と諸費用
収益物件に限らず不動産を購入する場合、物件価格の他に、仲介手数料、
登録免許税、固定資産税精算金など、購入時に種々の費用が発生します。
これらの費用は、物件価格の5~8%程度かかります。
やはりこれらの費用も加味して判断することが重要です。
また、物件を購入直後に、リフォーム工事や外壁塗装工事などを計画している場合は、
その費用も含めて考える必要があります。
●満室時想定家賃の検討
家賃の詳細はレントロールと言われる、家賃、敷金などの賃貸条件を一覧にした書類で検討します。
入居中の部屋は現状の家賃、空室は募集条件の家賃が記載されています。
募集中の家賃も含め、物件周辺の現在の相場に対して乖離していないかを
チェックします。大きく違うのであれば、相場に見直します。
次に部屋ごとの家賃額のバラツキをチェックします。
家賃は一棟のアパートの中で同じ広さの部屋でも、
所在階や部屋の位置によって違いはあるものの、極端なバラツキがないのが一般的です。
しかし、極端に家賃に差がある部屋がある場合があります。
例えば、5万円ぐらいの家賃なのに、一部屋だけ6.5万円の場合は、少し変ですよね。
家賃に極端なバラツキがある場合は理由を調べ、家賃額を修正します。
家賃が極端に高くなる原因の一つに、入居時期があります。
入居時期が古いほど、築年数が浅いうちに入居していているので、
高い家賃で契約している可能性が高いです。しかし、その入居者が退去した場合は、
当然現在の相場になるので、現在の相場の家賃に見直します。
比較的入居日が最近なのに、家賃が高い場合や、
極端に安くなっている場合はその理由を売主さんに確認しましょう。
満室時想定家賃は、レントロールに記載されている家賃を自分で検証し、
これから見込める家賃額で見直すことが重要です。
レントロールに記載されている家賃額を修正した上で、
年間の満室想定家賃を算出し、購入価格+諸費用で割って利回りで計算します。
ほとんどのケースで当初の利回りより低い数値になりますが、
この数値がより実態に近い数値になります。見直した利回りで判断することが重要です。