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専門家が斬る!真剣賃貸しゃべり場
【第310回】
保険×不動産マイスター津曲(つまがり)が贈る    大家さんのリスクとは?その④

~大家さんのリスクとは?~ 

今月号は、保険×不動産マイスター 津曲(つまがり) 巖(いわお)より、
お届けいたします。

ウクライナ情勢も刻一刻と深刻さを増しています。
犠牲になられた方々の衷心
廻向と戦禍の早期鎮静を祈りつつ今月号を送らせていただきます。
拝読いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

最終回は、法人を設立されていらっしゃる方には当たり前のことと存じますが、
「財務三表」のうち、血流に匹敵する「キャッシュ・フロー表」の活用と
大家さんにとっての「デッド・クロス」をみて締めくくりといたします。

●「キャッシュ・フロー表」を作成していますか。

前号までみてきたように不動産経営は「健康診断」にはじまり「収支」、
お金の流れ(キャシュ・フロー)を【見える化】しておくことが肝要です。

月次で特に
「収支バランス」、「ストックの増減」の2点を把握するだけで、
いち早く「異変」に気づけるから早期対策が可能になり、
物件の寿命を伸ばし、経営の安定化を実現することが可能になります。

是非、気を付けてみていきましょう。

●「デッド・クロス」とは

一般に不動産投資の面で「デッド・クロス」とは、
お金のでない(キャッシュ・アウト)しない「費用」(減価償却費)よりも
お金のでる「費用」(ローンの元金返済)が上回る状況をいいます。

この場合、帳簿上は「黒字」でも実際のキャッシュ(現金)は減少もしくは
収支バランスは「赤字」の状況に陥っていることも多々あります。

こうなった対策としては、
1.ローン条件の見直しもしくは借り換え
2.減価償却資産を増やす(負債を更に増加させるためあまり現実的ではないですが)
3.資産の売却、買い換え、組み換えが考えられます。
1.2よりも3.の対策が効果的でリスクが少ない可能性が高いです。

また、もう一つの「デッド・クロス」も現実的です。
それは、「総収入」よりも「総支出」が上回る状態、
慢性的な「赤字」になる点です。

多棟の不動産収益物件を所有する大家さんに多く見られる状況ですが、
所有する物件の内、ひとつやふたつは「赤字」でも通算して「税金」が安くなるから、
それでよい!とするケースです。

不動産経営の足元から徐々に脆弱になっていることに気づき
早期の対策をしてきましょう。

ひとつ、ふたつがいつの間にか過半数~
ほとんどすべてに一気に加速するのがこの
収支バランスにおいて「デッド・クロス」を放置したことが元凶になるのです。

理由はいくつもあります。
物件そのものの市場価値の相対的低下、
人口動態の変化による需給バランスの変化
(供給過多)等外的要因によるものも少なからずあります。

このような様々な問題点の洗い出し、対策から安定経営へ、
専門的アドバイザーに寄り添ってもらうことも重要なファクターです。

大家さんの道しるべには各分野の専門家をワンストップで「つなぐ」ことが
可能です。
お気軽にご利用いただき社会に対して
明るい未来をともども築いてまいりましょう。

ABOUT ME
津曲巖
大手不動産会社にて相続・資産形成コンサルティング営業、管理職を歴任。都内を中心に数多くの土地有効活用、相続対策、資産の組み換え、買い換え等のコンサルティングを手掛ける。 ヘッドハンティングにより外資系金融機関に転身、不動産・保険を中心にFPコンサルタントとして 活躍。2002年独立系FP事務所設立。 不動産・金融機関での経験を活かし、上場企業、官公庁等での社員研修、マネー・ライフプランセミナー講師として、また、後進の育成にと全国で活躍中。 TVのCMでも有名なスーモカウンターや日本FP協会等でのFP相談ほか、企業の財務・営業コンサルティングも精力的に行っている。
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