「不動産価格指数」で分かる、不動産売買のタイミング
こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの駒崎です。
ニュースで「物価指数がいくつ上がりました」
という言葉を耳にしたことはありませんか?
物価の上がり下がりを数値で示すのが
消費者物価指数ですが、
同じような指標が不動産にもあります。
それが「不動産価格指数」です。
不動産価格指数とは一体どんなものなのか、
くわしくご説明しましょう。
■不動産価格指数とは、
どんなデータから導き出されたもの?
不動産価格指数とは、不動産価格の動向を数値で表したものです。
まずは「価格指数」はどうやって導き出すものなのか、
知っておきましょう。
価格指数は、基準となる価格を決めて、
その基準価格を100とした場合、
現在の価格はどのくらいの比率になるかを示しています。
具体例を挙げて、実際に計算してみましょう。
2000年には、ワイン1本が1000円で買えました。
この価格を基準とします。
2020年には同じワインが、1本1200円になっていました。
この場合、2020年のワインの価格指数は120ということになります。
計算式としては、
「現在の価格÷基準価格×100」で導き出します。
この価格指数で不動産の価格の推移を表しているのが
「不動産価格指数」です。
2012年8月から、国土交通省が
年間約30万件もの取引価格情報を基に計算し、
毎月データを公表しています。
不動産価格指数の基準となっているのは、
2010年の不動産取引価格の平均値です。
月ごとの指数だけでなく、
前月と比べてどう変化したかの割合も
同時に公表されています。
国土交通省のホームページでは、
過去の不動産価格指数も公表されています。
それを見れば、
不動産価格がどのように変化してきたか分かることでしょう。
不動産価格指数の最新データは、
大きく「住宅」と「商業用不動産」に
分けて公表されています。
住宅に含まれるのは、
住宅地の土地、一戸建て住宅、分譲マンションです。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000085.html
商業用不動産のデータには、オフィス、
工場、倉庫、商業地、工業地などがあります。
投資用としてのマンション・アパートの1棟買いは、
住宅ではなく商業用不動産に
含まれているので注意しましょう。
ただ最新とはいっても、
不動産価格指数のデータは
リアルタイムのものではありません。
たとえば2024年2月29日に公表されたデータは、
2023年11月のものといったように、
3ヵ月のタイムラグがあるので注意が必要です。
■不動産価格指数から不動産取引のタイミングを読む
国土交通省が公表しているデータのうち、
不動産価格指数も重要ですが、
直近の動向を知るなら「対前月比」の
数値を見るのが早いでしょう。
前月のデータに対してどのくらいの増減があったのかを
示すもので、「▲」がついている数値はマイナス、
ついていなければプラスを意味します。
例えば、2024年2月に公表された2023年11月のデータで、
「住宅総合」のところを見てみましょう。
データは全国、地方別、
エリア別、東京・名古屋・大阪の大都市圏に
分けて公表されているので、
その数値を比較します。
全国では前月比マイナス1.1%、
南関東圏でも0.3%と下落しているにもかかわらず、
東京では前月比0.6%と上昇しています。
つまり不動産取引が好調なのは東京のみで、
周辺地域はあまり活況ではなく、
地方はさらに低調という傾向が読み取れるわけです。
不動産売買は、価格が低いときに購入し、
価格が上がったときに売るのがベストです。
不動産価格指数や前月比のデータから
価格の動向を読み取り、
売買のタイミングを計ってみましょう。
加えてエリア別の情報を比較検討することで、
投資をする地域を選ぶのにも役立ちます。
ぜひ不動産指数のデータの読み方を覚えて、
より効率的な不動産投資を行ってください。